普段クリエイター活動をしているスタッフKが、
『これ、ええで』と思う商品を紹介するコーナー第9弾!!
本日紹介する商品は『ハンドプレス』です。
このアイテム、レザークラフト3大神器の1つではないかと思っています。
■手打ち具で完璧に綺麗に打つのは至難の業
ハンドプレスと言えば1番のメリットは失敗率が下がること。
まずは、まだ駆け出しであった頃の、スタッフKの苦い失敗談をご紹介しましょう。
~スタッフKの失敗談~
クラフトイベントで販売経験がある方には共感して頂けるかと思うのですが、1度商品を見ていた方が会場内を1週して戻ってきた時には購入していただける確率が高い。
その日は財布購入を悩んでいる女性のお客様がいました。
お客様「やっぱここの財布が良いかなと思って戻ってきちゃいました。もう一度見させてね~」
スタッフK「どうぞご覧下さい~」
お客様がサンプルの財布を手に取った次の瞬間…!バネホックが外れてしまうトラブルが!
お客様「あ!ごめんなさい!」
スタッフK「いえ!お客様は悪くないです…!ごく稀に金具の不良があるんですよ~HAHAHA」
最悪の言い訳をぶちかまし、もちろん空気が濁りました。
「(何とか打開しなければ!)」と言うことで精一杯の爽やかスマイルでその場を凌ごうとしましたが、そこに居たのはただの脇汗びっしょりなブサメンでした。
お客様は苦笑いで会釈をし、脇汗ブサメンから去っていきました。
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当時、そこまで大量に生産をしていなかった私は「ハンドプレス高いし手打ち具で良いや」と思っておりました。でも、その逃した財布の販売代でハンドプレスが購入できたわけです。
手打ち具で綺麗に打つのは限界があります。(特にバネホックの足側)
私はその後すぐにハンドプレス購入に足を運びました。
使用してみて思いましたが、これはもっと早く購入しておけば良かったなと。
僕は未だにハンドプレスはレザクラアイテムの3大神器に入るのではないかと思っております。
■ハンドプレスの便利な使い方
ハンドプレスは単純な構造ですので、駒をセットしてハンドルを下げるだけです。
ただし、1点注意が必要で、強くプレスしすぎると金具が変形してしまいます。
では、プレスしすぎないようにするにはどうするか。
ここである意味今日の本題となります。量産する際に、ハンドプレスを更に便利に使う方法です。
このなんとなく付いていそうなネジですが、これが非常に重要。
ここでレバーの下がる深さの限界を決定できるのです。
特にハトメやバネホック類は強くプレスしすぎると金具が変形してしまいます。
同じ厚みの革で繰り返し同じ金具を取り付ける場合は、最初の1個目でレバーの深さ(強さ)を調整してあげると、その後レバーを限界まで下げてあげるだけでジャストな強さで取り付けられます。(※金具はクルクルと回らない程度が丁度良い取り付け強さです)
この事を過去ブログでも掲載してなかったんですよね。
村木が某雑誌にて【教えて!村木さん】コーナーがありましたが【教えてあげてよ!村木さん!】といった気分です。
■よくあるお問い合わせについて
よく問い合わせを頂くNo.1質問
Q.他社で購入したハンドプレスですがフェニックスの駒は取り付け可能ですか?
A.分かりません…(´・ω・)
基本的に日本製のハンドプレスでしたら規格が合っていることが多いですが、こればかりは実際に試していただかないと分かりませんというのが返答になります。
よく品番なども教えていただくのですが、当店で扱い実績が無いので回答ができないのが現状です。
もし駒を購入したけど合わなかったといった場合は返品交換も承ります。(返送時の送料はお客様負担となります)
※その際、駒が入っている紙箱を破らないように開けていただくと大変助かります。
■まとめ
・打刻音がしない
・手打ち具に比べて失敗率が格段に下がる
・量産する際にスピードが上がる
私のようにホックが外れて返品交換などならぬよう、是非導入していただきたいアイテムです。
それでは皆様よきレザクライフを。アデュー。
過去の関連blog:
- スタッフKの『コレ、ええで』#004【TY-ぎんすり】
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