メーカーさんに教えてもらった! NT プレミアムカッター 小型 A の刃の真実


先日投稿していただいた『NT プレミアムカッター【小型 A】』の商品レビューで、「最後の刃が使えない」というご意見をいただいたので、メーカーである NTカッター の営業担当さんに質問してみました。

NT プレミアムカッター【小型 A】

 

よしかわ「NTさん、ちょっと教えてください!」

NT「はい、なんですか? カッターのことならなんでも聞いてください。」

よしかわ「 NT プレミアムカッターの【小型 A】の刃ってどうしてこうなんですか?」

よしかわ「同シリーズの【中型 H】と【大型 L】は、最後のピッチは刃幅が広くなってるのに、【小型 A】だけ最後まで等間隔。。。」

 

よしかわ「てか、カッターの刃って最後のピッチは幅広で終わってるイメージしかないんですが?」

NT「ああ、それはね、弊社の【小型 A】用の黒刃は 元々デザインナイフ用の刃なんですよ。」

よし「えっ⁉︎」

 

 

ここからは教えてもらった話をよしかわなりに説明しますね。

まずは、カッターの刃の製造工程から。

カッターの刃の製造工程の話

カッターの刃の材料となる鋼材は加工前の時点では「ロール材」と言って、まだやわらかい状態なのでロール状に巻かれています。それをまずプレス加工することから、カッターの刃の製造は始まります。

プレス用金型を使い、穴(スライダーに固定する穴)、折れ線、文字などをプレスして行き、再びロール状に巻き取ります。

次に熱処理を行い、硬度と耐脆性を高め、刃付けの工程に入ります。

刃付けはグラインダーで刃先部分を表裏同時に研磨していきます。その際、いろいろな砥石を使い分けて仕上げていきます。

刃付けが終わったら、スライダーに固定する穴をセンサーが読み取って、同調させたパンチが下りてきて1枚の刃に切断します。

最後に検査工程となるのですが、硬度、靭性、刃角度、重ね切りなどを各試験機で行い、紙切りテストを検査員(人間)が行うことで、試験機によるデジタルデータだけでなく、人間の感覚的な切れ味も検査対象となっているそうです。

 

デザインナイフの替刃をカッターナイフの刃に転用⁉︎

カッターの刃の製造工程とデザインナイフの刃の製造工程は基本的に同じです。

で、【小型 A】のボディにサイズがぴったりなので、デザインナイフの刃を転用してるということなんです。

【小型 A】用の刃(黒)にデザインナイフの刃(銀)を重ねてみました。

もちろんぴったりです。

逆にいうと、カッターの刃は最後のピッチが幅広になってるのが普通です。

元々は、プロの職人さんがそうしていたそうです。ここでいう「プロの職人さん」とは、内装職人さんのことで、主に壁紙クロスを貼る職人さんのことですね。壁紙クロスの裁断って、よく切れて、刃が薄くて、鋭角であることが求められるそうで、その際にデザインナイフの刃がベストだったようで、それをカッターに入れて使っていたのが始まりだそうです。

デザインナイフの刃として使う場合には、1ピッチずつ折ってボディに装着して使用します。

だから最初から最後まで等間隔に折れ線が入っているんです。ちなみに、最後の穴の空いてるピッチも同じように使えるそうで、じゃあ、どうしてこの穴が空いてるかというと、製造工程の中で「穴をセンサーが読み取って、同調させたパンチが下りてきて1枚の刃に切断します」とありましたよね。カッターの刃を製造するときと同じようにセンサーに読み取らせて裁断するのに必要な穴なんです。

で、この穴がカッターのスライダーに固定するときの穴としてもピッタリという、神様の思し召しとしか言いようがない話w

2つの必要条件がぴったり重なる美しさに私、そりゃあもう感動しましたよw

 

まとめ

そういう理由で、他のカッターナイフの刃と最後のピッチが違ったんです。

ですので、最後のピッチは『NT プレミアムカッター【小型 A】』では使用できません。最後から2番目のピッチは、一度ボディから外して刃を折ることで使用することは可能ですが、その際は十分注意して折ってくださいね。

逆に、もしデザインナイフをお持ちの方がいたら、【小型 A】用の刃はデザインナイフの刃としても使えるということを覚えておいてもらえるといいかもしれませんね。

(残念ながら、現在PhoenixではNTカッターさんのデザインナイフの取り扱いはありません。)

で、ここまでの話を理解してもらった上で下の新商品の説明をしたいなと思うのですが、それはまた次回に。

▼新商品▼

  

NT 小型 A用【替刃】(100枚入)【取寄品】

 

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