21年4月のJLIAblogの裏側01:新しいタイコや新喜皮革のブラックバス、グッドレザーの設備の話


「ムラキさん、文章長すぎだよ!(ヽ´ω`)」

JLIAblogを書き終わると、お偉いさんやら担当さんに呆れ口調で言われます。

JLIAblogを月1回だけ書いています。これは「東京の情報ばっかりだと他に悪いから、西の情報も書いてよ」ということでお仕事として行っています。で、その一環でタンナーやら会社に取材とか行くわけですわ。

が、私の文章ってところどころ口語で書くので文章長いんですよね。だから、こちらのblogでは向こうで書ききれなかった事を紹介してみようと思います。あとまぁ、「向こうで書くと怒られそう」なこともこちらでは書けるので(´・ω・`)

blog読む前にJLIAの長いblog読んでからのほうが裏側話は面白い、はずです(;・∀・)

村木るいさんの「人に話したくなる革の話」/新しいタイコとブラックバスとランドセルのミュージアムの話 | JLIA 日本皮革産業連合会

きたなかコーポレーションの新しいタイコ設備やシェービング風景

きたなかコーポレーションさんはタンナーさんが自分たちの仕事の下準備や前工程をお願いする会社です。私がいけたのも人の紹介やらツテやらコネ使っていますので決して「ちょっと見学で見に行こう!」とか思わないでくださいね。問い合わせもしないでください。 

写真ないけどシェービングを見てきた

今回シェービング風景も見させてもらいました。シェービングは水戻しした生々しい皮の裏側の不要部分をこそげ落とす作業です。巨大な機械で、水の多い状況で、腕力体力のいる仕事です。今まで見たかったけど、なかなか見る機会もありませんでした。

やはり実際に行かないと匂いや空気、足元の感触が味わえないので貴重な経験でした。

皮を鞣す課程で搾り取られる脂が床に流れているため、足元はつるつるヌルヌルしており、見学などは不可能な環境です。

これらで排水された水も浄水場で浄水されて自然に流されるわけですので、ほんとに大量の水と、浄水場が必須な仕事だな、と実感が持てましたわ。

巨大なタイコとFRP製のタイコ

で、北中さんの新しい工場。昨年の夏頃から「作っているよ」「新しいタイコ入っていたよ!」などの情報はちらほらと聞いてはいたんですが、なかなか取材許可が降りなくて。で、今回ようやく見れました。

でかい!新しい!テンションあがるわ!

「私がタイコと一緒に映っている写真撮って!撮って!」とお願いしたくなるくらい立派な建物で立派な設備。久々に自分の写真撮ってもらいましたわ。

これがFRPタイコかぁ!とベタベタ触りまくり。木製と違って保温性は悪いそうですが、内部の洗浄がすごく楽だとか。見たかったんだ、これ!

あまりに巨大なので、皮を入れる際は2Fから入れます。2Fといっても手すりもない状態なので「コロリンコ」と落ちたら怪我間違いなし。わはは、これは見学ツアーは出来ないなぁ

タイコ設備ですので、これがぐりんぐりんと回転するわけです。浴温、回転数、水分量など複数の要素を組み合わせる鞣し工程はほんとに奥が深くて面白い。

タイコの動いている風景やシェービング風景は下記の動画参考になります。タンナー協会、ありがとう!いい動画だ。

この写真もかなり面白い風景。左が新品のFPR製のタイコ。で、右側にあるのが試験タイコ、と呼ばれる小さなタイコ。が、この両脇に白いコンクリの塊があるように、後日新しく大型タイコを設置できるように余地を残してある。すげぇな、きたなかコーポレーションさん!やる気まんまんですわ!

見学させていただきありがとうございました!

グッドレザーさんの工房設備、レベルアップしてやがる

姫路から車で15分ほどの加古川市のグッドレザーさんと合流。

店のそばのルート65でハンバーガーもしゃもしゃ

「ムラキさん、昼ごはん、ハンバーガー食べに行きましょう!」ということでグッドレザーから車で5分弱のルート65というハンバーガー屋へ。

上記はお値段高めの1350円ほどのハンバーガー。ここまでじゃなくて、800円ほどのチーズバーガーで十分な量だったと思います。ゲプッ

土日にいくと多分すごく混み合う店だと思いますので、下記リンクの口コミなどを参考にしてください。美味しいのでおすすめですわ( ´∀`)bグッ!

で、グッドレザーの工房

入り口はいってすぐのところにレンタル工房があり、以前から作業スペースとして有料貸出していました。

げぇ、塗装ブース作っているやん!

しかも使っているスプレーブースがネロブース!高いの買ったなぁ!!!このブースも貸してくれるの?

グッドレザーさん「いや、ここはまだです。僕の研究と遊び場ですね。将来的には貸し出ししてもいいかな、と思いますが、料金設定が難しいな、と。lized塗料やSEIWAの染料を買ってもらってココで使える、とかは需要あるでしょうねぇ」

あると思うなぁ。ちくしょう、いいなぁ。フェニックスでもレンタル作業スペースを、と思わんでもないけど、スペースがないんだよなぁ。スペースと監督者の問題で難しい。羨ましいなぁ

「でも、大阪なんばから徒歩8分弱という地の利があるから良いじゃないですか!うちなんてくるまないと来るの大変なんですよ!」

大変なん?

「講習会で『電車で行く』という人がいたので駅から50分歩きますよ、と言ったら『じゃぁやめます』と言われちゃいましたよ」

50分!?

「タクシーなら10分ちょいですねぇ。宝殿駅にはレンタサイクルもあるので、それ使えば20分ちょいですね」

人によってはつらいな、それは(;・∀・)

ミシンや漉き機も使えるの?

「GWにWSやってたんですが、講師がミシン、漉き機講習を行う予定でそれを受講された方を対象に機械の貸し出しを行う予定です。
現状は机と怪我のリスクが少ない道具の貸し出しですね。

今後もこのwsは適宜おこない、ミシン漉き機を貸し出していこうかな、と思います。さすがに講習なしでいきなりミシン漉き機使ってもらうのは怖いですから。」

まぁ、油断すると手に穴くらい空いたり、削ぎ落とすからなぁ、指を。(;・∀・)

「wsは各種SNSで告知します。でも『早く受けたい!』などの要望は参考にしますので、問い合わせしてくれると嬉しいです!ミシン漉き機使わない状態での作業スペース貸し出しは現在も行っています。」

ということなので、レンタル作業スペースやミシン漉き機を使うための講習については下記連絡先から問い合わせしてみてください。

 

グッドレザーさんのお店やらSNSはこちら

グッドレザー(@good_leather) • Instagram写真と動画
レザークラフト革材料専門店 Good Leather 【グッドレザー】 | Top – お店のミカタ
【楽天市場】レザークラフトの皮革材料.革素材.ヌメ革サドルレザー.革ハギレの販売店:グッドレザー[トップページ]

新喜皮革さんで見たブラックバスの革

さて、グッドレザーさんからバイクで15分ほどで新喜皮革さんへ。

JLIAblogで書けなかった話は「文章表現がドン引きだから、これは削除しよう」というネタです。

ブラックバスの革は触ってみると鱗模様がきちんとあります。これは「鱗を剥がした跡」ですな。鱗ごと鞣しているわけではありません。鱗って通常の皮で言うならば「体毛」「毛」と同じものですので、一緒に鞣せないわけですね。

この鱗の根本部分は、哺乳類の皮で言う「毛根を抜いた跡」なわけです。毛根周辺にはケラチンと呼ばれる部分で、哺乳類革を作る際にはこのケラチンという硬い部分をどれだけ目立たくするかが肝要なわけで。ケラチン – Wikipedia

これをわかりやすく書くと「毛を抜くと毛根部分がツプツプと目立ってザラツク」「爪を剥がすと根本が盛り上がる」ということです。。。って、爪剥がした跡なんて普通見たことないし、えげつない表現だからJLIAblogでは書かないほうが良いな、と思って削除しました (;・∀・)

ブラックバスの革がどんなものか、というのは鯛や鮭を焼いて食べる際に、焼いたあとに皮を剥がして裏側を見たり、指で触ったら色々と理解しやすいかと思います。「鱗の根本のザラツキはこれか!」など指先で理解しやすくなります。

7/17.18は新喜皮革のレザーフェスティバル

今年も新喜皮革のレザーフェスティバルが開催されます。
今回は新喜皮革以外にも他の場所でも開催されます。

今回は10周年!土日開催で、タンナー見学も行われます。
いつから募集、などは新喜皮革HPなりSNSを細かくチェックするしかないのかなぁ。

新喜皮革 – コードバン・ホースハイド・馬革|兵庫県姫路市の馬革専業タンナー 新喜皮革
SHINKI-HIKAKU co Ltd(@shinki_hikaku_co) • Instagram写真と動画

 

で、長くなったのでセイバンミュージアムの話は別でまた書きます。

「数十年たった革はこんなことになる!」
「撮影禁止の工場風景の面白さ!」
「セイバンさんが解説してくれた背カンの発達!」
「セイバンの名前の由来と最初は何をしていたか!」

などこれまた長くなります(;・∀・)

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