革製トランクの作り方基礎と考え方を100円ショップの紙箱改造で学ぶ part2 接着と持ち手作り


革製トランクの作り方基礎と考え方を100円ショップの紙箱改造で学ぶ part1 裁断と漉き | phoenix blog

前回から続き。今回は接着と持ち手作り。

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接着

・トランクは縫製箇所は少ない。今回もほとんど行っていない。
・使う接着剤は酢酸ビニル系の白ボンド。フェニックスで売っているサイビノール100番はサラサラで作業効率がいいです。

サイビノール 100番 – レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP 

・塗る道具は私は普段はプラスチックヘラを使っています。ただ、塗るときの力加減や塗り方にコツがあります。段差がある場合は刷毛を使います。

ジラコヘラ – レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP
ラッカー刷毛 – レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP…刷毛の先端を固めて斜めにそぎ落として使います。

 

で、白ボンドを使いこなすために必要なのは”塗る道具””土台” 私は昔から下記の材木を使っています。
フェニックスで売っている材木の固まりのほうがおすすめですわ。

この土台の端の角を使いこなす。白ボンドは革の表面につくと革の色を変えることがあるので土台を使いこなして革に付着しないように気をつける。

 打ち台 ユーカリ – レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP
動画で見よう!音と振動対策:ケヤキの塊を足の上に | phoenix blog

 

・白ボンドは便利な道具ではあるが革を曇らせる、接着時間が早い、接着後に押さえなければいけない、などの欠点もある。そのためにも土台を使って手早く行う。一度乾燥した箇所には白ボンドは接着しづらくなるので基本的に一発勝負。

・角の部分は折り返ししづらいので多少角を落としていく

・白ボンドの接着を強めるためにも吟面をヤスリで荒らす。その際にも治具を使いヤスリを固定して荒らしていく。
・下記は「ヘリ漉き」ではなく「ホリ漉き」という技法を使っています。ヘリ漉きはヘリ返しの際にアテとなる布やテープを貼ってから折り返します。ホリ漉きはそのアテがない状態で曲げます。ヘリ漉きに比べると工程が1つなくなるので楽になりますが、直線が出づらくなりますね。

・1枚革を90度に折り曲げるので曲がる部分を薄くします。
漉き機を使ってもいいのですがこういう場合は定規に当ててグルーバーで削ると手軽です。

グルーバー(L) – レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP

・接着剤をつけるためにひたすら吟面を荒らしていきます。大きな面をしっかりつけるために重石として先ほどの土台を載せておきます。

金具

・今回紙箱トランクをダイソーで購入し、金具を再使用しました。が、この金具再利用はおすすめしません。留めてあるリベットが恐ろしく硬いため固く、ペンチや喰い切りが痛みかねない。
・また、四角いコカンやコカンをトランクに留めている固定具も安い作りなので再使用が難しい。
・コバはカスタムの透明なりを塗っておく。補強の意味合いもあります。
フェニックスでは50ccという単位でも手軽に買えます

カスタム#3610改 – レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP 

・持ち手部分も紙製で作られているのでこれは革で作り直し。
この革持ち手も漉き10mmなど行う。

・芯として2mm厚みの革を使用。全体の厚みを揃えつつ、補強のセラフィニーテープを使っておく。
補強テープは偉大!

セラフィーニーテープ – レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP

・で、最後に縫製

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・このような箱に小洒落た紙を貼っていく技術をフランス発祥のカルトナージュという技法で学びました。紙箱を作りたい、革で箱を作りたい、という人はちょっとかじっておいて損のない技術です。革と相性はいいのでおすすめですよ

今回の箱はカタンの開拓者を入れる箱が欲しくて作りました。トライソフト版なのでもう20年以上持っているものですねぇ。
「どうやって生きていこう、、」とウダウダ悩んでいるくらいならカタンを10回やれば色々と勉強になるんだけどね。

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木箱から作りたい、という奇特な方は下記サイトが参考になります。

木製トランクケースの作り方
格好良い箱を作る方法

本気で作りたかったらヤフオクあたりでトランク落札してバラバラにするとすっごい勉強になります

ヤフオク! -トランク -の検索結果 

参考動画

は~、動画でトランク職人が公開する時代なんだねぇ。オソロシイ時代だわ
結構な数の動画あげてくださっているのでじっくり見ると勉強になります

革トランク別注オーダーメイドの匠乃固鞄のトップ

参考文献

今回は箱作りに関する紹介。もうすでに革とは関係なりつつありますが、「箱作り」ってクラフトのジャンルでは結構色々とあります。カルトナージュを基本としてから他のものを見ると理解しやすくなります。

美しく暮らすための上質収納「インテリア茶箱の世界」
インテリア茶箱 お部屋が華やぐ極上収納
…茶箱は江戸時代にお茶を運ぶために作られた箱。木をタッカーで留めて箱を作り、内側にトタンを貼り付けています。私もさすがに作ったことないですが、フェニックスのお客さんでこれを作り、革を張っている人がいます。近々個展するとか。

sono3[1]

参考サイト:茶箱の販売/収納箱や米びつに l
静岡生まれのスグレモノ。「茶箱」がこんなに素敵だったなんて! | キナリノ 

和の心で包む帙と函づくり―和綴本から文庫本、CDまで…帙(ちつ)は和の本の保存するための箱です。さすがにここまでやっている、という人はそうそう見たことないですな。

sihou[1]

参考サイト:中性紙保存箱|本のための保存用品

本棚探偵の冒険 (双葉文庫)
本棚探偵の回想 (双葉文庫)古本マニアによるエッセイ集。古本ジャンルはミステリー。(横溝や江戸川やら)
1巻目である「冒険」では本を納める函(はこ)を自作、2巻目である「回想」では豆本作りの話が入っています。本が好きな人ならエッセイとして楽しく読めるかと。で、読んでいると作りたくなります、函。

函とは、、

katanuki1[1] katanuki2[1]

参考サイト:ブックケース 型抜き函

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