革製トランクの作り方基礎と考え方を100円ショップの紙箱改造で学ぶ part1 裁断と漉き


よこい「ほら、技術blog書け!、という声多いでしょ!さっさと書きなさい (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン」
アンケートなんてするんじゃなかったよ、、(;´д`)トホホ…
それじゃ昨年作ったトランクの下書きを清書しますか。
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 今回使用するのは100均のダイソーで購入した紙製のトランク。
フェニックスから北に徒歩8分、なんば駅近くに大きめの5階建てダイソーがあるんですよ。
大阪市中央区のダイソー なんば戎橋店|大阪100均マップ
今回これに革を貼っていきます。
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トランクの基礎

 トランクというものは昔は木箱、今はファイバーで箱を作りその上に貼っていく、という考え方が基本です。
 今回はお遊びで行いますが、基本的には同じです。
突っ込んでいる技術や考え方は下記の3つが元です。
・製本世界の漉き考え方
・財布や小物の世界の漉き技術
・フランスのカルトナージュと呼ばれる紙の箱に布を貼る技法

細かく書くときりもないので写真をメインに説明していきます。
所々で身も蓋もないステルスマーケッティング、というかフェニックスの商品案内も行いますので是非買ってください!(・∀・)

 まずは金具外し。さすが100円、留めるのにリベットを使っているのでものすごく硬いですな。

 

型紙作成

・実物を紙にとり、そこに漉き分として10mm、厚み分として3mmを足していく
・私は斜め漉きの箇所は赤、ヘリ漉きは青でマーキングしています
・革の全体の厚みは1,2mm。使用する革はどこの工房の隅にでもあるようなワインレッドの革。きっとミンナもモッテイルはず。赤バンザイ(*´∀`)
・革はこのようなパキっとした革ではなく、シボがあるような革のほうがほんとは作りやすいですね。作りたいものに対して適している革・適さない革、というものは存在します。
・製本に使う場合はタンニン革に限られます。
これは制作過程で水に濡らして乾燥時の収縮を使うからです。
フェニックスの革ならばタンニン革のアリゾナがおすすめですが、過去製本用としてソフトヌメなども販売したことがありますね。

アリゾナ(CONCERIA LA BRETAGNA社) – レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP

ソフトヌメ – レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP

・まぁ箱に貼り付けるだけですのでクローム革にヘリ返しを行って貼り付けていきます。

裁断

私は作業の8割をカッターナイフを使います。カッターナイフ4種類を使い分けます。

が、カーブ部分などは革包丁が便利ですね。
写真の銀色はフェニックスでも売っている合体できるオモリです。
文鎮は蚤の市で購入したものですね。

ウェイト・オモリ・文鎮380g – レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP

 

漉き

・今回のキモ。肝要。重要なポイント。

財布のヘリ漉きなどはせいぜい6mm〜9mm幅ですが、製本の世界では35mmなどの長大なヘリ漉きも存在する。今回はめんどくさいので10mm幅に留める

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・ヘリ漉き0,2mmにした後に先端部分を薄く削ぎ落とす。
これがゼロ漉きと呼ばれる技法で製本の世界ではよく求められる。このゼロ漉きは機械で行うのはものすごく大変だし、専用の押さえを作らなければいけない。私はヘリ漉き後自分の手でそぎ落としていく。
この時に使って便利なのが最近導入したレールおもり。

実際に使われたレールを切り落とし、錆を落とし、ラッカースプレーをしたもの。
ゼロ漉きをする際には多少湾曲したものの上で行うほうが便利。
硬く、重いものほど与えた力をきれいに跳ね返してくれるので非常に漉きやすい。

お客さんのblog見ていたら湾曲面としてiphone使っていた人もいましたね。なるほど、と関心しました。

・ヘリ返しの先端部分に厚みが少しでもあるとそこにダメージが集中し、剥がれてしまうため。
接着後に爪で引っ掻いても革が引っかからないレベルまで行う。このためのゼロ漉き。
製本世界じゃないとあまり概念としてないかもしれません。もしかしてトランクの世界では常識なのかもしれませんが、いかんせん私もトランク作りの職人さんお目にかかったことないんですよ

革製トランクの作り方基礎と考え方を100円ショップの紙箱改造で学ぶ part2 接着と持ち手作り | phoenix blog 

参考文献

西洋製本図鑑
…革にまで突っ込んで解説している製本技術の本。一番高いけどここまで書いたものは今までありませんでした。
西洋の書物工房 ロゼッタ・ストーンからモロッコ革の本まで (朝日選書)
…製本に興味を持ったらうんちく増やすのに便利な本。製本もハマると結構な泥沼ですのでお気をつけを

はじめてのカルトナージュ
…あらまぁ、絶版になっていますな。私が学んだ本はこれでした。
カルトナージュは今回のように「基本となる箱があり、それに貼っていく」という場合はとても勉強になる技術です。大きめの書店にいけばカルトナージュの本は数冊はありますので是非見てみてください。

切る貼るつくる箱の本 ~BOX&NEEDLEの工夫を楽しむ箱づくり~
…箱づくりもハマると奥深く面白いですよ。革と相性もいいので初級レベルでも習得しておくと応用性が高いです。

過去の関連blog:


One thought on “革製トランクの作り方基礎と考え方を100円ショップの紙箱改造で学ぶ part1 裁断と漉き

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