皮革産業連合会のキッズレザープログラムの会議に行っている、という話


鞄組合や靴組合、タンナー組合などがあり、それらが集まったのが日本皮革産業連合会です。

ここで行われているキッズレザープログラム(=KLP)という試みの会議に毎回出席させていただいています。末端の末端の末端くらいの立場ですがね

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どんな内容なのか?

食育、という教育プログラムが有りまして。近年随分と一般的な言葉になったものでうす。

食育の推進:農林水産省

これと同じように幼少期の頃からお子さんに革に親しんでもらい、将来的に革製品を買ってもらう・もしくは革業界、という世界に興味持ってもらいたいなぁ、という内容です。

≪KLPの事業目的≫
髱皮革に関する正しい知識を持った消費者を育てる
2.皮革素材の可能性を伝えるモノづくり(生産)現場を育てる
3.職業選択に皮革産業という職業を選びやすい環境を作る

《KLPを通じて伝えたいこと》

KLPでは、こども達が革に触れられる機会を提供するだけでなく、
正しい知識を学び、当たり前のように身の回りにある革製品について、
てもらうきっかけを創出したいと考えています。

《革について》

古くから人間は動物の肉を食べて命をつないできました。
私達が食ぺている肉は動物の尊い命が育んできた産物です。
そして、肉を処理する際に副産物として生じる皮もまた同様に命の贈り物です。
こうした皮を無駄にすることのないように、人間は暮らしのなかの様ノマなところで役立ててきました。
しかし、動物のヒフだった皮は、そのままにしていると硬くなったり腐ったり
してしまいます。
そこで人間は長い時間をかけて皮を長持ちさせる工夫を重ねてきました。
その結果できあがっだ技術が「なめし」と呼ばれる手法です。
「なめし」によって「皮」から「革」へと生まれ変わることにより、私達が生活するう
えで欠かせないバッグや靴、ベルトなどを作ることができるのです。
革はもともと動物のヒフですから、一枚の革でもお腹の部分と背中の部分で柔
らかさやキメの細かさが違います。
同じ種類の動物でも、育った環境や雄と雌の違いによって手触りや色の染まり方がまったく異なります。
人に個性があるように、革にもシワやキズ、ホクロ、血管の跡、虫さされの跡などそれぞれの動物達が生きた証が残っています。
KLPを通じ、こうしたことをこども達に伝えていくことによって、皮革に対す
る愛着や、皮革製品を大切に扱う気持ち、皮革に関わる仕事を選択肢のひとつとし
て検討したいという思いにつながれば幸いです。

革ってなに?|~革を学ぼう!革で遊ぼう!~ kids’ leather programs
革の歴史|~革を学ぼう!革で遊ぼう!~ kids’ leather programs

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なにをしているのか?

当初は暗中模索であり、私が東京まで行ってワークショップなども行っていたのですが、ここらは限界があります。

・ワークショップを私や東京の職人さんがこちょこちょとやっていても総数は微々たる人数でしかない。
・ワークショップが出来る環境があったとしても職人の都合がつくとは限らない。

で、このやり方は頓挫。

その後考えられたやり方が下記のやり方

・靴や鞄メーカーさん、タンナーさんが廃棄しているハギレ革を1箇所に集積
・それらを箱に小分けして全国の児童館、教育機関などの「児童育成に関係している団体さん」に送らせていただく
・それらを子供たちの工作に使ってもらう。金銭授受などが発生するのはアウト
・協力していただけるところには実際に伺い、どういう意義か、革というのはどういうものなのか、などを解説させていただく。
・お子さんには革に関する紙芝居などもやっていただきます。

キッズレザープログラムの最近~JLIAの本気: レザークラフト・フェニックス

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みんなの声|~革を学ぼう!革で遊ぼう~ kids’ leather programs

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現在どうなっているのか

このやり方が功を奏したのか、日本全国23都道県の教育機関、児童館などで採用していただいています。

・KLP参加児童 約36,000人

・KLP参加保護者 約13,000人

・KLP受け皿団体 120団体

・KLP実施都道府県 23都道県

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運営している会社さんから聞いた話

実際に皮革産業連合会が外部に事業委託して運営していただいています。
で、どないなん?

「革って実際に触らなきゃわからないですし、子供たちが作ったものを持って帰れる、というのはお母さん方からも喜ばれるんですよ。
その中でお母さんやお父さん方には革の手入れのハンドブックなどをお渡しすることもあります。

そもそも革を認識していないとか、食肉文化の結果として生まれてくることを認識されていないこともあります。

それは子どもだけでなく保護者もそうなんですよね。
革に触れる機会をつくりながら、そういうことを知ってもらうと、手に取っている革を見る目がまるで変わるんですよ。

そして、何の動物だったのか、どんな大きさだったのか、目の前にある革はどの部位だったのかとか思いを巡らせるわけです。
それに対して『豚の革だよ』とか『昨日たべた牛の革だ』とわかるわけです。

そうしたときに、革への愛着みたいなのがすごく生まれてるなっていうのが、見ていてもわかるんです。子供・親、両方ともです。

革が食肉産業の副産物だ、というのを伝える貴重なプログラムですよ。」

革ってなに?|~革を学ぼう!革で遊ぼう!~ kids’ leather programs

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これってワークショップなりをするのは児童館、教育機関じゃないと駄目なんでしょ?

「厳密に言うと『児童育成に関係している団体さん』ですね。民間でも全然OKではあるので。
個人の工房の方がこのプログラムをやりたい、協力したい、という問い合わせがあったんですが、その場合は残念ながらお断りしたんですよ。児童育成に関係している団体さんじゃなかったので。」

あぁ、ハギレ革だけもらって商売する可能性があるから?

「そういうわけじゃないですけどね。( ´ー`)フゥー...あまりそれは危惧していません。もちろんハギレもらうだけもらって商売に使うのは厳禁です。

けど、問い合わせいただいた方が逆に児童育成に関係した機関に働きかけて『私がWSやりますからこのキッズレザープログラムに参加してくれないか』と動いた事例もありますよ」

すごいな、その人!行動力あるなぁ

「でね、協力いただいいてる場所で詳しくは言えないのですが、お子さんのシェルター的なところがあるんです。」

シェルターっていうと何かしらあって親御さんから離れたお子さんが駆け込む所、という認識でええんかな?

「まぁ、それでいいです。
そこでWSやるとですね、そういうお子さんは『この作ったものはほんとにもらっていいの?』『ほんとにいいの?』と聞いてくるわけですよ。あまり人から肯定される、ということに慣れていないんですよ。

『もちろんだよ。君が作った君のものだよ』というとものすごく喜ぶんですよ。

また、革で作品をつくって褒められることで自信が生まれたり、WSなどで施設職員以外の大人と触れ合う機会が生まれます。
社会とのつながりを革のWSが媒体になって作ってくれているんだな、と思います。

もうそれ見ているとこの運営やっていて良かったな、と。
実際にお偉いさんたちや革に携わっている方にこの現場を見てもらいたいんですよねぇ」

みんなの声|~革を学ぼう!革で遊ぼう~ kids’ leather programs

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フェニックスとしてやっていること

このプログラムを行うにはハギレの確保が必要となります。
そのためフェニックスの裁断などで出たハギレ革などをまとめて送らせていただいています。
ハギレ革といっても10cm以上四方あるものを送っています。

お客さんでもしハギレ革を廃棄する、などがありましたらまたフェニックスに持ってきていただいたら一緒に送らせていただきます。

これを見て興味持った方が出来ることは

・WSをする団体として名乗りをあげる
・端革を提供する

の2つとなります。

端革提供は「年に1箱くらいしか送れない」でもいいですし、「革を10枚送る」でも構いません。鞄靴メーカーから、タンナーさんから材料店まで自由です。
送料着払いとなりますので送るほうは費用がかかりません。

ここらは事前に運営に連絡してみてください。

「個人くらいの単位でそれほど量ないけど、、」ということでしたらフェニックスに持ってきてください。その際は「KLPに寄付希望」と書いていただけたら送っておきます。

 

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