【新商品情報】初心者の方でも扱いやすい、優しいヌメ革取り扱い始めました


こんにちは。Phoenixの横井です。

今年は梅雨入りが例年より早いようで、
そのせいか、今日なんかは大阪市内、ジトーっとした暑さです。
梅雨が来て、夏が来て。さあコロナさん、いつ収まってくれるのやら。

そんなこんなで今日は新商品のご紹介です。

店頭やネットでもかねてより問い合わせの多かった「初心者でも扱いやすいヌメ革」をスタートします。

「初心者でも扱いやすい」とは?

いただくお声でとっても多い「初心者でも扱いやすいヌメ革が欲しい」ですが、
その話を掘ってみると、多くは「汚れにくい」と「価格がお手頃」に集約されます。

価格はともかくとして、ヌメ革でモノを作るときに汚れるっていうのは
レザークラフトあるあるかと思います。

傷がつきやすかったり、汚れた手で触ってしまって痕がついたり。

でも革屋マジレスすると「ヌメ革=素上げのタンニン革」である以上、どうしようもないかなーと思います。

でもそれって革屋の価値観であって、これからレザークラフトをする初心者の方には関係ない。なんしか汚れにくくて値段が安くてレザークラフトしやすい革を探されているお客様に

「ヌメ革なんで、仕方ないんですよ」なんて説明して、
しょぼーん(´·ω·`)ショボーン って顔になっちゃうのはやっぱり革屋としては悲しい。

お客様を悲しいませたりがっかりさせるだなんて、Phoenixらしくないじゃないか!

ということで、初心者さんでも扱いやすい、

・汚れにくくて

・値段が安くて

・レザークラフトが楽しめる

そんな革を用意しようと一念発起したわけであります。
さあ旅に出よう〜!

 

汚れにくさ=仕上げでなんとかしましょう

汚れやすい、というの防御力が低いとの解釈でOKだと思います。
布の服と皮の盾です。
スライムでも苦戦します。

ふとした時に擦れちゃったり、手の汚れがついちゃっただけで痕がついてしまうのは、
革の防御力が少ないからなんですね。

じゃあ防御力を上げるにはどうしたらいいか。
装備を固めればいいんじゃなかろうか。

ただし、装備を固める、とは言っても天空装備ほどガチガチにしてしまうと、
ヌメ革本来の良さが失われてしまいます。

あくまでヌメ革を目指すという当初の目的を見失わない程度に装備を固める、もとい
仕上げを工夫する必要があります。

で、こんな感じ。

見た目はほぼ素上げヌメですが、ほんのり色を加え、トップコートも行いました。
装備でいうと「はがねのよろい」くらいかと思います。
序盤〜中盤くらいまではこれで安心。
さあかかって来なさい、腐った死体。

 

価格を抑えるのは難しい

 

以前もどこかで書いた記憶がありますが、
革の値段は
・原皮の価格
・タンナーさんの手間賃、薬品などの材料費
・仕上げの手間賃、薬品などの材料費
・輸送コスト
・革屋さんの手間賃(フェニックスはここ)
が土台になると思います。(多分)

なので、どこを節約するかで仕上がりの革の出来が左右されます。
今回は「初心者さんでも扱いやすい」というコンセプトがありましたので、
極端に品質の良さを取らず、「ほどほど」を目指してみました。

案外難しいですね、「ほどほど」というのは。

極端に厚くなく、ピット鞣しにこだわらず、
Phoenixの手間賃もちょっと抑えめにして(初心者さんへの投資ということで)
DS単価/100円(税込)を目指しました。

これを安いと思ってもらえるかどうか、正直不安ですが。

 

レザークラフトが楽しめる←ここ重要

 

これ一番大切です。

「さあ!これからレザークラフトを楽しむぞ!」

という時に、コバを磨いても輝かない。スタンピングしてもしっかり沈まない。
なんか出来上がった作品がかっこよくない。

そんな革を供給してしまってはレザークラフトの未来がありません。

やっぱりPhoenixでお買い物してくれたお客様にはレザークラフトを心から楽しんでもらいたいですし、
そのための革素材や工具などを取り揃えたいという弊社の願いがありますので、
ここは妥協できません。

一番大切なことです。

大切なので2回言ってみました。

 

譲れなかったポイントとしては

・しっかりタンニン鞣でコバも磨けて経年変化バッチリ
・原厚2.4mmでいろんなニーズにお応えできる
・打刻もできるハリとコシ


です。

ただ、ごめんなさい。革に仕上げをしてしまっている関係で、

染色には不向きです。やめといてください。

染色されたい方にはタンローをオススメしておりますので、そちらご覧ください。

ほんとは染色もできるようにしたかったんですが、「汚れにくい」との両立ができませんでした。
またそれに関しては先々の宿題ということにしておきます。

 

名前は「プリモ」イタリア語で『最初、一番手』

 

商品名:プリモ
なめし:タンニンなめし(ドラム)
タイプ:成牛半裁
厚 み:2.4mm前後
サイズ:240DS前後
単 価:DS/¥100(税込)
焼印率:中
カット:可

 

レザークラフトを始めるにあたって、最初に買ってもらえる革、を目指してます。
そんな想いや願いを込めて「プリモ」と名付けました。
日本語で「イッポ(一歩)」にしようかと思いましたが、
ボクシングっぽくなるのでやめました(私は83年生まれ)

現在Phoenixで扱っているヌメ革の昭南本ヌメニッピヌメと比べると、
硬さや、繊維のつまり具合は劣ります。
でも、初めてのレザークラフトを楽しんでもらうには十分な品質かと思います。

ちょうど良い、と言ってもらえるような革になればいいな〜。

 

キットやワークショップに向いてる気がする

実は、この革を用意するにあたって、初心者の方が革を買いに来る場面しか想像していなかったのですが、
革担当スタッフから

「じゃあこれってワークショップとかにもいいですね」

と言われて初めてそのことに気付く私。

確かにそうね。
ワークショップって基本的にレザークラフト初心者が受けに来るもんね。

 

同じ理由でキットなどを制作されている方にもオススメできるな、と。
革が出来上がって来てから気づきました。
視野が狭い上司でごめんよ。。。

 

人気が出れば色展開も考えてみたりなんかしたりして

 

初心者さん用ヌメ革ということで、生成り色からスタートしましたが、
キャメル、チョコ、黒なんかも全然作れます。
(ロットという大人の事情はありますが)

むしろキャメルの方が人気出そうな気がします。

黒もあればそこそこ買ってもらえそうな気もします。

チョコも。

でもまずは、このプリモの人気が出ることを期待しております。
ポテンシャルは十分、なはず。

このコロナ禍でおうち時間を過ごされる方も増えていることですし、
ちょっとでもレザークラフトを始めよう!という方のお役に立てれば本望です。

Phoenix常連さんにはあまり響かないかもしれないけれども、
初心者の方に優しいお店でありたいPhoenix横井でした。

過去の関連blog:


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

*