動画で見よう！：コバ処理や作品づくりに如実に影響する革の知識３点

コバチートが２５年１２月に販売されました。

これが非常に面白い原理の工具です。で、これの販売のために特典動画をつける、ということで作成していたのですが、、、

コバチートが優れているが特定の環境にしか使えない＝きちんと土台ができた革じゃないと無理＞でもその説明するには接着と切断まできちんと説明しないといけない＞でも、その説明するにはそもそも革の説明しなくちゃ駄目じゃない？

と考えるとずらずらズラズラと時間がずれ込んでいきました( ´Д｀)=3　とりあえずは無料の革の解説部分だけでも。動画補助説明などもこちらのｂｌｏｇにまとめていきます。

大事なのは「鞣し」「部位」「漉き」

革はタンニン鞣し・クロム鞣しなどの種類が存在します。で厄介なことに、同じ「革」って名乗っているくせに素材としての強み・弱みも異なり、コバ処理なども全く異なります。

で、革の場合は生物由来なので、「部位」によってコラーゲン線維の絡まり具合が全く異なります。背中の部分のほうが線維が強く、腹などはゆるくなっています。

さらに「漉き」　元厚（元のまんまの厚み）で売られている革は基本的に裏面部分がバサバサっとしています。この状態で線維のゆるい腹部分などを使うと接着がきれいに効きません。場合によっては裏面処理といってツルツルになっていたりしますが、こうなると接着剤の効きが弱くなります。

接着の効きが弱くなると今度は切断裁断の際に問題が出てきます。

これらの３要素がコバ処理をする際に関わったり、鞄なり靴、財布を作る際にも影響してきます。

請負の量産職人さんは漉きなどがされた状態で納品されます。これはメーカーづとめの職人さんでも場合によっては「革屋さん行ったことない」「元厚の革なんて見たことない」「１枚革なんて見たことない」という人もいます。

更にいうなら、「俺は靴職人５０年やっているねん！」という人は靴用の革しか触ったことがありません。そのためタンニン革を全く触ったことない人もいます。
鞄職人２０年やっているねん！という人は靴用のクロム革を全く触ったことない人もいます。

先生業・教室業を３０年やっている！という人も量産の現場は見たことがありません。そうなると量産のテクニックや「量産の型紙」などもわかりません。

怖いのは「わからないことが自覚されていない」ケースがほとんどです。まぁ、認識されないと事実は存在しませんから仕方ありません。

【一般販売開始！】コバチート 3サイズ
価格：￥1,650 ～￥1,870（2025/12/29時点）
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こちらの工具、今まで出たコバを塗る機械（個人的にも持っていますが、メーカーさんでの稼働しているのも見ています）や工具を見た経験を踏まえても画期的な工具と言えます。

バネを使うことで分子間力で液体を引っ張る。これによりバネから漏れるか漏れないかのギリギリを維持しつつ、液体を対象に”載せる”のに適した工具となっています。

「塗る」というよりも「載せる」工具となります。そのため前述している動画でいう「腹回りなどのふわふわなコバ」や「クロム鞣しの柔らかいコバ」には適していません。これは「この工具が適していない」わけではなく「この工具が真価を発揮する土台をきちっと作らないと効力を発揮しない」からです。

ここらの知識がきちんとあれば、クロムだろうが腹周りだろうがきっちりとこの工具でも「のせて」「盛る」ことが可能です。

そのための最初の知識が動画で解説している「革の知識３点」なわけですね。

こちらはコバコートを１２月頭までに購入された方の購入特典となります。その後は販売動画となります。また完成後に告知しますのでよろしくお願いします