《革》昭南皮革さんが製造するベンズについて 2


こんにちは、吉川です。

前回に続いて、グレージングベンズと多脂ベンズの違いの説明です。

多脂ベンズとグレージングベンズには、
チョコとブラックの色展開があります。

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染色して最後にグレージング加工をしたグレージングベンズと、
染色してグレージング加工をしていない多脂ベンズ。

染色は、タイコ(ドラム)で染色しています。
下地染色的なイメージを持って頂ければいいと思います。
これだけの厚み、コシのある革をタイコで回すので、
“タイコ擦れ”という擦れ傷がつくことが往々にあります。

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こればっかりは仕方ありません。
従って、多脂ベンズのチョコ、ブラックは、
下地染色をして脂を入れて完成なので、
色ムラはあるし、タイコ擦れはあるし、という革になります。

ところが、染色したグレージングベンズの場合、
グレージング加工をすることで、
下地染色による色ムラはそのまま残りますが、
ある程度のタイコ擦れは消えてしまいます。

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すなわち、
下地染色+グレージング加工で完成する革ということです。

逆説的に言うと、
グレージング加工をしたベンズを完成品とした場合、
グレージング加工をしていないベンズは、
完成品の一歩手前と言うことができます。
染色した多脂ベンズだとタイコ擦れがある分、
“完成の一歩手前感”は顕著であると言えます。

でもでも、
完成品の一歩手前に無性に魅力を感じることってありませんか?
繊細で整った完成品ももちろんいいけど、
粗さの残った無骨な感じもまた男心をくすぐります。

タンナーさんで、
染色した多脂ベンズが吊られているのを見て、
直感的に「これやりたいっ!」って思ったんです。
こういうデメリットの多い革を定番で扱ってしまうところが、
PhoenixがPhoenixたる由縁でしょうね。

ちなみに、
多脂ベンズをガラス板でしごいて、
自力でグレージングっぽくされる方もいらっしゃいますし、
多脂ベンズでウォレットなんかを作った場合、
使用していくうちに、ツヤは出てきて、
最終的にはグレージングベンズと同じ感じになります。

多脂ベンズとグレージングベンズ、
どちらを選んだらいいか困った時は、
参考にして下さい。

購入前にお電話を頂ければ、
ご相談にも乗らせて頂きます。

 

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