極小ポンチはこんな簡単に潰れる・この合図が出たら刃物は潰れている、という実例をマクロ撮影で見てみよう


「昨年バイクにスマホを取り付けて運転したら一発で壊れた」ムラキですわ(´・ω・`)

スマホのカメラを起動したら常時ブルブルブルブルと震えてしまいます。(;´Д`)まともに写真が撮れなくなりました。

調べたらバイクの運転時の振動がカメラの手ブレ補正に深刻なダメージを及ぼすそうで。

バイク乗りは必見!…スマホの「手ぶれ補正機能」が故障してしまった“思いがけない原因”とは(まいどなニュース) – Yahoo!ニュース

「カメラ使えなくても別に良いか!」と思っていたのですが、QRコード撮影が一切出来ないんですよね。今の時代致命傷です。諦めて購入。

で、新しいスマホに替えたらレンズ3つほどついていて、そのうちの一つがマクロ撮影可能でした。3cmまで近寄れると違う世界が見えますね。ミシン針の品番まで見ることが出来ましたヨ

今回はこのマクロ撮影で「極小ポンチはこんな簡単に潰れる」「なぜ潰れたのか」「こういう合図が出たら刃先が潰れているよ」という事を解説していこうと思います。

フェニックスで売っているクラフト社製のポンチは結構おすすめ

ハトメ抜き(穴あけポンチ) – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス

硬さとしなやかさが混在しており、末永く使える品です。

極小ポンチは詰まりやすい

極小ポンチ、、、ここでは0.6~1.2mm、場合によっては1.5mmのポンチを示しますが、これらのポンチは基本的に詰まりやすく、壊れやすいと思ってください。

ポンチ、というのはテーパーがついている、必ず。

ポンチというものに限らず刃物、というのは大概のものは外側と内側にテーパーがついています。

このテーパーが付いているためにポンチで穴をあけた後の丸いもの=革のカス、などは台形になっています。

タンニン系は膨らもうとする力が強すぎる

タンニン鞣しの革、というのは「ギュッと締まった」鞣しが行われた革です。
この革は圧縮しようとしても固くしまっているため、圧縮しづらい革です。

で、例えば1,2mmのポンチで2mmの厚みの革を裁断しようとすると、裁断された革がポンチの中に入っていきます。台形の下の部分は圧縮されてしまいます。

別に1,2mmのポンチで厚み0.5mmの革や紙を裁断するならばセーフです。

ですが、1,2mmの穴が開くポンチで1mm以上の革を裁断しようとすると、1回目は穴がきれいに開きます。2回目からはポンチの内部で裁断したカスがポンチの中で圧縮されまいと突っ張ります

で、2回、3回と穴をあけるたびに、内部で突っ張っている革がギュギュギュッと詰まっていきます。最終的には力の逃げ道がなくなり、革が内部で詰まって動かなくなります。はい、こうなるともうお終いです。

末路は2つ。

1 ポンチの先端部分が裂けます。ビリっとね。

2 先端の刃先部分が薄い構造になっています。革が詰まっている状態で叩いていくとこの薄い部分がどんどんと潰れていきます。

裂けて壊れるか、先端が潰れるかの2択ですね。

タンニン系は1の「裂ける」ケースが多いように思えます。

クローム系は内部で上下に圧縮されるケースが多い

さて、「締める」タンニン鞣しの革に対して、クローム鞣しの革はふっくらとした仕上がりになります。これならば、タンニンのようにポンチの中で外側に突っ張ることがないので、安心かというとそんなことは全く有りません。

クローム革はタンニンと違いポンチの内部で突っ張ることはないのですが、少しでも詰まり始めると、その後に入ってくる革クズは内部で上下に圧縮されます。圧縮される前にピアノ線などで突いて詰まらないように注意してあげれば良いのですが、この掃除を怠ると内部でドンドンドンドン圧縮されます。最終的に石のように固くなります。

こうなると、上記の2番「革が詰まっている状態で叩いていくとこの薄い部分がどんどんと潰れていきます。」ということになります。

このように光り輝くと先端が潰れた合図

下記の写真で言うならば右側のポンチは潰れています。パッと見ると「わぁ!光って見えるからよく切れるのかな!」というと逆です。

光り輝く=それだけ平面部分となり、潰れた部分が存在し、光が反射もしくは乱反射している状態です。

左側のポンチは光っていません。先端が薄く薄くなっているため、光を捉えていないからですね。

先端を正面から見て光り輝いているものは潰れている。

これを覚えておいてください。

マクロ撮影すげぇ!一目瞭然、これは潰れている

マクロ撮影で1cm程度の距離で撮影しました。普通に目で見たらここまでは見れないですね。

これで見れば一目瞭然。右側は丸くなっています。

下記は同じ品です。中身が詰まっているのに無理やり叩きつけることで先端が徐々に摩耗して潰れているわけです。

こうなるともう使い物にならないか!というと、そうでもないんです。半端に穴があくんですよ、これでも。完全に穴が開かないならば故障に気づけますが、半端に穴があくと「こういうものなんだな」といって使い続けることになります。

このblog読んでいる人で実際に使っているポンチの先端見てください。先端部分が光り輝いている人は要注意です。

極小ポンチで穴を開けるときにこの点を注意しよう!

1 厚い革は極小ポンチで穴を開けない

フェニックスでは2号=0.6mmから始まって、3号=0.9mm、4号=1.2mm。ここらあたりが要注意な極小ポンチです。

これらのポンチで裁断出来るものはせいぜい穴が開く大きさの半分くらいまで、と思っておいたほうが良いです。2号ならば紙1枚。3号ならば厚み0.5mm以下。4号ならば0.6mm程度まで。それ以上の厚みのものの穴をあけると破損する可能性が高いです。

5号=1,5mmポンチになると1mm程度の厚みは開けられます。

2 こまめな掃除をしておく

「それでも3号ポンチで1mmの革を裁断したいんだ!」というならば、こまめに掃除してください。

これは1,2mmのポンチを掃除するために1.0mmのピアノ線を購入し、こまめに掃除している風景です。この掃除をしている際に「お?革が詰まっている感じがするな」と思った際は不可がかかっています。こまめに掃除するか、諦めるかの二択です。

先の尖っている円ギリでは掃除は出来ないのか?

フェニックスで売っている目打ちは細くて良い品ですが、これもテーパー状になっているため、貫通出来ません。ポンチの掃除には不適格ですね。

丸ギリ【クラフト社】 – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス

正面から見て光り輝く刃先の工具は、刃先が潰れていることが多い

この「刃物の先端を正面から見て光り輝くのは、刃先が平面になっており光を反射しているから」というのを知っておくと、革包丁や漉き機の刃先の鈍りが理解しやすくなります。

まぁ、それでも小さなポンチを使うことも今後あるでしょうから、使う際はお気をつけくださいな。

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