裏アイテム、というわけでもないんですが、店頭でのみ販売している品があります。
「ほら、秘密のアイテムだよ!うっしっし」というわけではなくて、単に供給性の安定が欠けるからネットに載せていない、とか、在庫がちょっとしかないから、というものなどは載せていません。
で、Facebookに載せたら思ったよりも反響あったのでネットショップに載せました。
最初にお値段言っておきますが、単なる打ち棒1本が3000円します。
品は単に「ハンドプレスの駒を先端に取り付けられる単なるネジ穴切っているだけの棒」です。
そう、単純なんですよ、これ。でもすごく美しい。
「んだ、打ち棒1本で3000円!たけぇなぁ!」と思う人はこの先読まないほうが良いと思います。「うっ、高いけどたしかにほしい!」と思わせるために文章書いていますので (´・ω・`)
セッタースイッチ(コマ用打ち棒・コマ用土台) – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス
動画
上駒を装着できる美しい打ち棒
何度も何度も書くけど、ホックの頭がきれいに留まらないのは技術じゃない。工具の問題だ。
《金具》謎のジャンパードットホックがつけられない>>ホックボタンに関する驚く話: レザークラフト・フェニックス
ホックがうまく打てない、という場合はハンドプレス買わなきゃいけないのか、と絶望して希望を見出す話 | phoenix blog
イベントで挨拶回りしていたときに「ホックがうまく留まらないんだよ」という質問を受けました。「ホックの頭部分がペタンとするんだよね」と。
「手で打ってます?それなら原因は工具ですわ」( ー`дー´)キリッ
ホックの頭は打つのがものすごく難しいです。正直私も手で打ったら成功率7割くらいじゃないですかねぇ。100個打ったら25個は失敗します。
「えっ、25個も失敗するの?ムラキさん、腕ないんだなぁ」
だってハンドプレス+ホック用の駒を使えば成功率99%だからです。ハンドプレス+駒ならば失敗率1%割り込むと思いますわ。「手でホックを100%失敗しないように打つ技術を身につける時間」を考えるとハンドプレス+ホックのほうが手早く、確実だからです。
「それでも俺は手打ちにこだわりたいんだ!」という方がもしおられるならば、まずやることはフェニックスでも売っているオールマイティープレートでのホック打ちをやめることです。
オールマイティプレート/10%OFF/万能打ち台/レザークラフト工具/クラフト社
この品は悪い品じゃないんですが、「市販のホックを80%くらいの仕上がりで打てるけど、100%の精度では打てないよ」という品です。だから”オールマイティー”プレートなわけです。
確実性が高い専門的な工具じゃないんですよ。その分お値段が安いわけですね。
ハンドプレスの駒は世界のすべてのホックやカシメをきれいに留めることは出来ない
「じゃぁフェニックスで売っている駒買えばホックはきれいに打てるんですか?」
フェニックスで売っているホックの駒を買えば「フェニックスで売っているホック」はきれいに打てます。失敗率は1%切るんじゃないですかね。でもほかのホックもきれいに打てる、とは言えないわけです。だって、日本国内でもメーカー変わればホックの頭の形状で微妙に異なりますもの。
・ハンドプレス・打駒 – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス
「ネットで売っている格安のホック」などはきれいに打てる保証は出来ません。
具体的に言うと「ア●ゾンあたりやホームセンター、格安手芸店で売っているような百個数百円みたいな、どの国で作られたかわからないようなホックなんざ、同じ業者が売っている打ち棒なり駒使わないと無理」ということです。まぁ、安売りしている業者さんがわざわざホックまで作っているとは思えないんですけどね( ゚Д゚)y─┛~~
フェニックスで売っている駒はあくまでフェニックスで売っているホック用なわけです。
ほかのホックは100%打てません、とは言いませんが、「どんなホックも100%きれいに打てるよ!☆」なんて怖くて言えないわけですね。一応は、日本製のホック使っている限りはきれいに留まっているようです。
まぁ現状「クラフト社やSEIWAで売っているホックの駒はつけられますか?」「それらの会社のホック留められますか?」と質問会った際には「試してみてください。駄目だったらお客様送料・振込手数料負担で良いなら返金可能です。あるいはほかの品と交換可能」と言っていますが、特に返品返金はないはずですね。
ハンドプレスの駒は便利だけどめんどくさい
さぁ!みんなハンドプレスを買おう!素晴らしいよ!と言ってはいるのですが、、、
ハンドプレスの欠点は価格です。年々高くなります。だいたい2,3年に1回値上げが来ますね。
でも「早く買っておけばよかった工具」アンケートをするとだいたい1位になりますよハンドプレスは。
ハンドプレス – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス
でも。
ハンドプレスに駒を取り付けるのは正直めんどくさいです。
いちいち駒をくるくる回して装着したり、ハンドプレスをよっこいしょ、と出してくるのがめんどくさいわけです。
特に下記写真のNO5ホックの足部分はハンドプレスよりも打ち棒で打ったほうが早かったりします。
No.5 バネホック – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス
でも頭のためにハンドプレス駒を購入し、足を素早く打ち付けるためだけに打ち棒を買っていたらお金がかかって仕方ありません。
「あぁ、ホックの足を打つためにハンドプレス出すのがめんどくさいなぁ」というときにこの1本!
ここまでが前置きなわけで。
ホックの頭打つためにハンドプレス使って、足を打つのにもハンドプレスに駒つけるのはめんどくさいなぁ、、、という時に今回の商品のご案内です。
こちらのセッタースイッチと名付けられた棒ですが、「ハンドプレスの駒を取り付けられる、というだけの打ち棒」です。
これさえあれば前述したような「ホックの足を打つためだけにハンドプレス出したり押したりするのはめんどいなぁ」というときに大変便利。
お値段3000円です。
でもすげぇ便利です。
「カシメの駒はあるけど打ち棒ない。でもハンドプレスに取り付けるのめんどくさいなぁ」という人生における15秒を5秒に短縮出来ます。
「ホックの足部分を止めるのにこの部分はハンドプレスは入らないから打ち棒買わなきゃ駄目だなぁ。駒も打ち棒両方買わなくちゃいけないなんて、、」という予算も削減出来ます。これ買っておけばこれからの人生打ち棒ではなく、駒を買えば良いだけです。
セッタースイッチ(コマ用打ち棒・コマ用土台) – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス
と、ここまでが機能性だけのアピール。ここからが美しさのアピール
この打ち棒、手に持つとわかりますが、焼きが入っており、とても硬く強靭です。
で、わかりづらいですけどこの滑り止め部分ですが、打ち棒より0.1mmだけ分厚くなっています。
この持ち手部分が0.1mmだけ分厚い、ってことは駒を取り外しする際にほんのわずかにテコの原理が働き、外しやすくなります。(細かく解説すると時間かかりますが、持ち手が細いドライバーよりも持ち手が太いドライバーの方が作業性が良い、で理解してください)
旋盤工における「ルレット処理」と言うそうですが、滑り止めのために行われます。この工程をすると0.1mmだけ分厚くなり、ざらざらで摩擦も高まり保持しやすくなります。
「じゃぁ市販の工具も全部それやればいいじゃん」と思いますけど、格安工具などではこの工程は省かれます。だって、安くなりますから、そのほうが。( ゚Д゚)y─┛~~
この工具の設計者は「ルレット処理はめんどくさいけど、このほうが工具として優れている」と考えたわけで。
ルレット処理に加えて焼き処理が施され、打ち棒全体が硬いです。
工具や機械ってのはデカくて重くて硬いほうが良い!というのが私のモットーです。素晴らしく硬いですよ、こいつは!
フェニックスで売っている打ち棒は基本的にこの職人さんに作ってもらっています。
私はこの職人さんが作ってくれた打ち棒なり駒を触るたびにすごく「気持ちいいな」と感心します。
フェニックスで売っている打ち棒や駒はこの会社の品が多いですね。
で、ここからがblog閲覧者をひどく煽るアピール
端的に言うとですね、ご高齢なんですわ、この工具作っている方(´;ω;`)
今、フェニックスが扱っていても先々きちんと販売できるのかな、、、と思うわけです。
良い工具なので何かあっても継続的に扱いたいです!
が、もし、、、なことになり、同じものを作ってくれるところが出ない場合は提供できなくなります。
あぁ、この作りを見て「なんだ、それじゃうちで作って安く売ってやろう、ウッシッシ」と思っても旋盤屋に持ち込むと「その値段をそのロットでは無理だよ」と言われます。それくらい手間かかっているんです、この工具。
もちろん「棒にネジ穴あけているだけ」ですので安く作ろうと思えば安く作れますよ。
ただ、これだけ”きちんと””美しく” ”気持ちよく”作れるかは疑問ですね。
セッタースイッチ(コマ用打ち棒・コマ用土台) – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス
象が踏んでも壊れない、下駒固定の打ち台
ようし!上駒を固定する棒を買うぞ!となると下駒固定する台もいるよねぇ。
「こんな小さな下駒で作業するのは安定性に欠けるよ~ (´;ω;`)」
大丈夫!フェニックスではきちんとそれも用意しました!
下駒にあわせてきっかりと作成
こちらも旋盤工にお願いしたものです。
がっしりとした直径50mmの円柱に下駒が入るだけの穴をあけてもらいました。
象が踏んでも壊れないほど頑丈です。
上駒、下駒別々でも買えるけど、セットで買うとお得だよ!
棒・土台バラで買うとそれぞれ3000円、セットで買うと6000円から500円引いて5500円となります。
セッタースイッチ(コマ用打ち棒・コマ用土台) – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス
下記blogにフェニックスのハンドプレス内容は集約しています
えっ!こんなのあるの!?こんな点知らなかった、というのがボロボロあると思います。
ハンドプレスに関する覚書 まとめ ハブ | phoenix blog | 1926年創業の革素材問屋のスタッフが、レザークラフトのあれこれを語ります。
過去の関連blog:
- 動画で見よう!職人も鞄や靴メーカーも知らない平べったいハンドプレス駒「ベタ駒」
- 動画で見よう!協進エル ハンディプレスでここまで静かに作業できる
- 動画で見よう!チタンフッ素スプレーで滑りが良くなり作業性が向上する、という話。
- 動画で見よう!カシメやホックやリベットや刻印がキレイに出来ないな、という時の改良点
- 動画でみよう!見たら買いたくなるクラフトミストスプレー。染料吹きを試してみる