小さな刃型を人力で使いたいんですがどうやればいいんですか?
「ものを作る人はもっと刃型を知るべきだ」運動推進者として刃型の素晴らしさを10年弱アピールしてきました。合言葉は「刃型バンザイ」です。もっと知られていい素晴らしい工具なんだがなぁ
そういや、手でやる裁断に関しての説明していなかった (*´ω`*)と思い動画で解説作りました。
このblogではもうちょい細かく書いていきます。
動画内で1~5までに内容をわけています。それぞれの動画をクリックすると該当箇所から再生されます。
1 やり方
刃型の刃部分を上にし、その上に革を置き、透明ビニ板を置いて上から叩いていきます。
2 理論
刃型はなぜ切れるのか。通常のやり方はどういうものか。それに対してこの人力でやるやり方がおすすめなのはなぜか、という解説です。
人力で叩くとどうしても均一に力を加えることが出来ません。
重要なのは「力を1点に集中させること」「土台をしっかりとしたものを用意し、力をきっちりと反射させること」です。
3 使用工具
・木槌 – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス
悪いこと言わないから特大を買っておいてください。
・ビニール板 極小 – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス
・ブラッドウッド (打ち台) – ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス
この打ち台がなくても地面の上などでやるのも手です。高さがないので力を加えづらくなりますけどね。(;・∀・)
・叩いているゴム板
こちらはメーカー欠品中、、というか、品切れ重版予定なしの品と思ってください。
動画でも言っていますが、別に硬い材木の棒でも構いません。重要なのは「あなたの力を1点に集中させること」です。
4 大きいサイズを裁断する
大きいサイズを裁断するほうが正直楽です。
動画でも解説していますが、「力強く叩く!」よりも「少ない力でいいから何度も何度も叩いてく」だと思ってください。「大きい力を大きな面積に少数回与える」よりも「小さな力を小さな面積に何度も何度も与える」ほうが結果的に成果は出ます。
100円均一のクッションフロアですが、応用性の高い材料ですよ。
5 苦手なこと
複雑な形状やポンチがたくさん入っているもの、というのは負荷が高くなります。大きくて単純な形のほうが楽ですね。
小さな星型や穴あけポンチがたくさん入っているものなどは裁断しづらいです。
補足
・動画を見てもらいたいのですが、叩いている打ち棒(ゴム板)ですが、私は根本付近を持っています。穴あけやカシメドメもそうですが、「大きな力で叩く」よりも「打ち棒の保持をどれだけきっちり行い、力のロスを無くすか」のほうが重要です。このやり方を身につけると音も静かになります。
・力が強くないといけない、ということはありません。土台と動画やこのblogで解説している知識をきっちり身につけたら女性でも裁断は可能です。
・打ち台として使っているブラッドウッドですが、マンションで作業するときに音を低減することも可能です。
動画で見よう!音と振動対策:ケヤキの塊を足の上に | phoenix blog
過去の関連blog:
- 動画で見よう!協進エル ハンディプレスでここまで静かに作業できる
- 刃型の話をしよう!:角の指定方法ってどうやる?型紙を書くソフトなに使う?刃型屋的にどれがありがたいの?という話
- 布を刃型で裁断可能なのか、という話
- 刃型の話をしよう!動物をかたどった刃型はこういう部分で高くなる!という話
- 刃型の設計思想の美しさ。厚い革を抜く刃型