先日自分の仕事の型紙を切って、刃型屋さんに提出しました。
ふと思ったんだけど、角の指定方法ってきっちり型紙を切ったほうが良いのかな?それとも、数字指定だけのほうがいいのかな?と思い刃型屋2軒に聞いてみました。
相手によって違った回答が来たのでちょっとまとめておきます。結論先に書いておくと
・寸法は重要箇所だけはきっちり書いておいたほうが良いかな
・フェニックスで刃型作るとチェックなどもしますよ!
というものです。
目次
PCで型紙作るために、inkscapeを使っています
厚紙を切って曲げて型紙も作りますが、scanncutが手に入ってからはPCで型紙を作るようになりました。
Brotherのスキャンカット SDX1200と1000で革のものづくりがもう一段階先に行けそうだ、という話 | phoenix blog
で、イラストレーターではなくて、「イラストレーターの類似の機能だけど無料で使えるinkscape」というソフトで作っています。
「Inkscape」無料の定番多機能ドローソフト – 窓の杜
InkscapeでDesign – Inkscapeの使い方 – もくじ
使っている理由は3つ
・イラストレーターよりも動作が遥かに軽く、PCの要求スペックが低くて済む
・お絵かきじゃなくて、型紙作るくらいならば学ぶことは少なくて済む
・無料!
イラストレーターのほうが0.1mmレベルの指定は優れています。ですがまぁ月額費用(adobe税)が高いです。(;・∀・)
「adobe税高いからPCで型紙引かない」よりも、「inkscapeでいいから、PCで型紙を切ることになれておいたほうが良い」と思っています。
で、これをsvgで出力してscanncutに切ってもらいます。
ただ、scanncutの準備もちょっと大仰なので、今回は印刷して手作業で切ります。
角の指定はどうするか?
角の部分の指定は半径で指定します。この時に使うのが「R」という文字。
R=8,と書いてあれば半径8mmを意味します。
円の面積を求める時に覚えた公式が2πR,ですが、これは2×3.14×半径という意味。Rは半径を意味するわけですね。
これ、型紙切ったほうが親切なのか?角を丸くせずに数値だけ書いたほうが親切なのか?
はた、と今更思ったんですが、これってどの指定方法が刃型屋さん的に一番やりやすいんだろ???
1 きちんとR8なら角をR8に切ってもらうほうがいい!
2 四角で「R8」と書いておいたらok!
3 切った上でR8と書いておくほうがいい!
どれが刃型屋の手間的に楽なのかな、と。
型紙切る人によっては「R8って書いてるのにどう見てもR6やで、これ」というケースもあるだろうしなぁ、と。
フェニックス取引の刃型屋さんは「型紙をきちんと切って、数値も書いておいて欲しい」
で、フェニックスに取引ある刃型屋さんにちょくに聞いてみると、、
「3 切った上でR8と書いておくほうがいい! ですね。数字と型紙に誤差がある場合は数字を最優先に考えます。」
とのこと。
香川の黒ずくめの刃型屋は1,2どちらでも
香川の黒ずくめの刃型屋さん的にはどっちなん?
「そりゃもちろん『全部切ってくれている』1が最高だけど、 自信ない人は『寸法書いている』2でも大丈夫。
俺がcadで書き直すし。
一番困るのが「小R」と書かれると悩む… 2mmなのか、4mmなのか、指定してほしいな。
『角が寸法通り出ていない!』程度はまだ俺的には親切な指定だよ(´・ω・`)
R8と書いてたらR5に見えても R8にするよ。 Rなんか切り始めと切り終わり合ってない人が普通やわ。俺は四角の面取りはcadで書き直しているよ。」
あなた、CADとか扱うんだな!クマがレース編みしているイメージだな( ´ー`)y-~~
結論としては「寸法は入れておいたほうが良い」
香川の黒ずくめの刃型屋はCAD使うので、寸法入っている方がわかりやすいし、それに基づいて刃型を切る、とのこと。
フェニックス取引先の刃型屋はCAD使わないですが、寸法入っているとちゃんと測って刃型を作ってもらっています。
全部、完璧に寸法入れる必要はない
型紙を切って持ってきてもらった場合、寸法が書いてあるとそれを全部調べます。
その中で型紙と寸法に2mmでも狂いがあれば、「ここ、寸法違いますけど、どちら優先します?」と確認作業が必要となります。確認作業する刃型屋にせよ、間に立つフェニックスにせよ、全部に事細かく寸法が入っていると、全部チェックするので結構たいへんです。
全部完璧に寸法入れなきゃ!なんて思わなくてOKです!
下記の点を指定してもらっているととても助かります。
・角のRの半径
・ポンチの指定…Rは半径ですので、R3,と書かれると「直径6mmのポンチ」になります。ポンチの指定の場合はRではなく、Φ6mm、で書いてもらうほうがベターですね。
・ポンチを入れるならば、ポンチの中心点は図面の端っこからどこにあるのか、を寸法で指定
・ポンチは真面目に中心に穴をあけるよりも中心点に☓印つけてもらうだけでok!
ポンチの指定方法などは、また違うblogで書きます。
刃型を少しでも安く作りたいならば、図面よりも型紙で渡したほうが良い
刃型屋としては「この型紙が完璧です!」と断言してもらって型紙を渡してもらうほうがありがたいわけです。寸法や図面で渡されると、そこから紙を切る、という作業が入ってしまいます。この工程分、必ず工賃があがります。
フェニックスでは刃型制作代行をしています。その際に型紙の図面起こしや整合性チェックも行えます
フェニックスで刃型を注文すると下記を行います。
・型紙のチェック(この部分は直角ですか?型紙見ると若干ゆがんでいるような。寸法が2mmずれていますよ、などの確認)
・型紙の清書(別途料金いただきます)
・イラストレーターやsvgデータでの入稿OK!
・裁断物に対しての聞き取り調査(何を裁断しますか?革はタンニンクローム?厚みは?どのような裁断手段もっておられますか?)
・提案(お手持ちの裁断道具なんですか?それならこんなやり方ありますよ)なども可能です。
何よりも刃型屋の代行制作を10年以上承ってきたデータや経験に基づいた提案が可能です。
3回くらい刃型屋やりたいなぁ、というほど刃型に入れ込んでいるムラキの偏った知識に基づいた提案も出来ます。
他で見積もり出すよりも絶対高くなります。
でも、これだけ細かい提案できる店はそうそうないはずですのでまたご相談ください。
抜き型(刃型)簡易お見積り | レザークラフト Phoenix(フェニックス) -レザークラフトの材料店 革、金具、道具、テキスト、教則本
抜き型製作 | レザークラフト Phoenix(フェニックス) -レザークラフトの材料店 革、金具、道具、テキスト、教則本
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