21年8月のJLIAblogは大国町にある野球グローブ工場見学でした。面白いよ、グローブの生産風景は。
村木るいさんの「人に話したくなる革の話」/野球グローブの生産工程を見てきた話
JLIAblogはムラキ個人が依頼受けて書いている文章ですが「ムラキさん、文章なげぇよ!」という心温まる依頼者さんの声もあるので書ききれなかったことや、書けなかったことはこちらに残しておきます。
今回は「ドミノ倒しってどれか1つでも倒れなかったら全部倒れないよね」というお話です。やる気ある若い人ってそれだけで大人は優しくしてくれるものなんですよ
途中で誰かが行動しなかったらこの人はこの場にいなかった
グローブ会社のD-Questさん見学で案内してくれたのは30代手前の若い兄ちゃん職人さん。
ねぇ、初対面で不躾やけど、なんでグローブの職人になったん?
「僕ね、中日ドラゴンズの井端選手に憧れていたんですよ。だから将来グローブを作る職人になりたいって小学校の卒業文集に書いていたんですよ。」
いやいや!選手に憧れているなら選手なり目指すものやん!なぜ野球グローブ職人を(;・∀・)
「誕生日に両親が井端選手が使っているのと同じグラブをオーダーしてくれたんですよね。それから更に職人になりたい、という思いが強くなりました。」
でも革業界にいる私がいうのもなんだけど、グローブ職人って募集しているものなん?
「してないですねぇ。
僕、長野県在住なんですよ。ネットで調べて、奈良県三宅町がグローブの産地というのは調べて学びました。ですので、三宅町商工会議所に直接電話しました。
職人希望です!見るだけでも良いので行かせてください!と。快く見学させていただきました。
そこでいろいろな工場を紹介され、その中で大阪の丸和があり、そこから縁で採用していただきました。」
この近年は三宅町は野球グローブに関しては色々情報発信しているけど、ほんとにこの数年なんだよなぁ、始めたのは。。あなたのときはネットにも情報少なかっただろうに
野球グローブ・ミット | 産業振興 | 事業者・入札 |奈良県三宅町
グローブタウンみやけ100周年(@glovetownmiyake2021) • Instagram写真と動画
他の職人さんも同じような話だった
言い方悪いが、D-Questさんもよくまぁ、雇ったなぁ。
「電話で問い合わせした際に『電話して思いを伝えられる子は良いね』と電話越しで言ってもらったのを今でも覚えていますねぇ。
グローブ職人養成学校や教室あるわけじゃないんです。
だからこの会社で働いている人は、「自分で行動した人」なわけです。
例えば、同期の職人は『高校の進路相談でグローブ職人になりたい!>先生がスポーツショップに問い合わせ>スポーツショップがスポーツ会社大手に相談>そこが丸和を紹介してくれた』という流れでここに来ています。」
すごいな!途中で大人が誰か一人でも「めんどいからほっとけ」となったらその連鎖は止まっていたわけだな。誰かが流れを止めるとあなたも同期の人もここにはいなかったわけだ。
ま、若い人は大人は怖いなり、生ぬるい、と思うかもしれないけど、大人って若者が思う以上に、頑張る若い人に対しては頑張って応援してくれるんだよ、という話でしたわ。
もちろんそうじゃない大人も多いし、私も相手を見て判断しますので。( ´ー`)y-~~
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