格安中国製ハンドプレスでフェニックスのハンドプレス駒を使えるのか?日本製のハンドプレスはボッタクリなのか?


先日店頭でお客様から「多店舗にて格安で購入したハンドプレスにあう駒を買いに来た」というご相談。が、これが当社の駒が装着できず、お客様に購入をオススメしませんでした。

今回のblogのオチは下記となります。

・格安の中国製品ハンドプレスは当社の国産ハンドプレス駒は使えないです
・ダメ元で使っていたらハンドプレス本体も駒も壊れます
・当社のハンドプレス駒のネジ径

ま、店員はお客様に売らない勇気も必要、という話です。

 

「すいません、お客様のハンドプレスに合致する駒は当社にありません」

今回のお客様はハンドプレスの実物を持ってきていただいたので実際に駒を入れて試してみました。質問の際には該当の品を直接見せてもらえるととても助かります。文章や写真だけでは判断出来ませんので。

が、これが途中までネジがハンドプレスに入ってくれるが、その途中からネジがしっかり留まりません。

下記はイメージ写真です。こんな中途半端な留まり方。美しくないなぁ( ´Д`)=3

正常ならばきっちり留まります。

ハンドプレスのネジの径が中国産と国産で違う

途中までは入るのですが、最後数ミリがしっかりと入らず隙間が生じます。おそらくそもそものネジ山の数が違うんでしょうな。

ハンドプレスのネジの経はいくつなのか? | phoenix blog

W5/16またはUNC5/16-18(ユニファイねじ 18山/インチ)
ウイットねじとユニファイねじは外径、ピッチは同一です。
違いは山の角度。Wが55°、UNCは60°

ネジが異なると半端に途中までしか入りません。この状態で使うと危険です。

なぜあわないネジを使うと壊れるのか

お客さん「生産の納期があるから急いでいるんです、合わなくても良いから駒買ってこうかと。」

急いでおられることは理解しました。
ただ、このハンドプレスとウチの駒はネジがあっていません。

この状態だと駒のネジ部分に負荷がかかって駒が破損する可能性がかなり高いです。駒だけの購入はお勧めできない。

お客さん「壊れるのはハンドプレス??その時は買い替えようかな。」

違います、壊れるのは駒。下手したら両方壊れます。

お客さん「ハンドプレスだけ壊れるんじゃなくて?」

あっていないネジを無理に使う
>ハンドプレスによってテコの原理で加えられた力が、ガタガタと歪んでいる箇所=しっかりネジが止まっていない箇所に力が集中する。
>駒か、もしくはハンドプレス両方が壊れる

ということです。

どうされます?

お客さん「それは怖いなぁ。生産途中で壊れたら目も当てられない。じゃぁ駒もハンドプレス本体も両方もらっていきます。」

amazonなりの中国産ハンドプレスは駒やハトメもセットでお得じゃないの?

amazonで売っているハンドプレスを調べてみると「ハンドプレス+駒+ハトメ」全部がセットになっていました。

その品がどういう品なのかは知りませんが、そちらのハンドプレスに付属しているハトメはあくまで、「一緒に販売しているハトメに合致するハンドプレスの駒」でしかありません。

逆に当社で販売しているハンドプレスの駒は「当社で販売している金具(ハトメ・カシメ・ホック)に最適化されている駒」と言えます。

中国製のハトメ駒が当社販売の日本製のハトメ金具に合致しているかどうかは博打です。
当社販売の日本製ハトメの駒が中国製のハトメ金具に合致しているかどうかも博打です。

ハンドプレスの駒にせよ、工具にせよ、国、、、どころか、東京大阪のメーカーでも微妙にサイズが異なったりします。

《金具》謎のジャンパードットホックがつけられない>>ホックボタンに関する驚く話: レザークラフト・フェニックス

NO1ホックや大カシメ、などのメジャーな金具でも直径なり、曲面なりがメーカーによってビッミョ~~~~~~~~~に異なります。

当社で売っている駒や打ち具はあくまで当社販売のカシメやハトメに適合しています。お客さんが購入したカシメやハトメ、ホックが当社駒工具できれいに止まるかどうかは保証出来ないんですよ(´・ω・`)

不安ならばハトメやホック、カシメ送ってください。

「この手持ちのハトメはフェニックスの駒で留められるのかな?不安だな、、」という場合は当社にハトメなりホックなりカシメなり返送用封筒同封して送ってください。

当社で試して送り返します。注意点は下記です。

1 止まった金具がそれでokかどうかはお客様が判断してください。そのため返送用封筒必須です。
2 お手持ちのハトメやホック、カシメが当社の駒で留まるかどうか試します。ですが、お手持ちの駒が当社のハトメやホック、カシメを留められるか、という検査は当社ではしません。できません。

1は「当社が大丈夫ですよ!と言ったのに数年後に『外れた!フェニックスがokと言ったのに!』と言われると困るからです。

2は「手持ちの駒を送ってもらって該当するハトメはこれだ!と断言すると1と同じ事態になる」からです。また、駒から該当するハトメやカシメ、ホックを探す作業って結構たいへんです。
正直当社以外の駒に関してまで責任負えません負いたくありません。

・当店で販売している駒はクラフト社・協進エルで販売されているハンドプレスに使うことが出来ます。

過去にお客様から問い合わせあったので調べましたが、上記2社のハンドプレスと当社販売の駒はきっちり装着可能でした。

ハンドプレスのコマってどれもこれも同じ経なの?: レザークラフト・フェニックス

フェニックスはボッタクリなのか?日本製なら高いのか?

さて、フェニックスのハンドプレスの価格と、amazonなりで売っている中国製のハンドプレスの値段差があります。じゃぁ、フェニックスは高く売っているボッタクリ店舗なのか?という質問への回答を考えてみましょう。

んー、ムラキ個人の意見として言うなら、ボッタクリではないです。フェニックスのハンドプレスも駒も国内生産ですから。ハンドプレスも駒も売れたからと言って「フェニックス儲かった!」というほどでもありませんわ( ´Д`)=3 たいして利益ありませんよ。

「日本産だからなんでもいい!」「中国産はわるい!」というつもりはないです。

中国製品に関しては年々品質は良くなっています。ただ、ハンドプレスの駒や本体は現状日本産のもののほうが良いな、とは思います。

ハンドプレスに関しては過去にblogでまとめたことはあるんですが、「使い方によっては簡単に壊れる」「正常に使っていても数年たって壊れることはありえる」という結構不安定なところがある工具です。
使い方が悪かったり、そもそも鋳物だからスが入っていると突然壊れることもある、という原因究明が難しい工具ではあります。先日知り合いのハンドプレスが数年使って壊れましたし。これは原因は足踏みハンドプレスの設計思想が原因でしたねぇ。ここらもまた解説します。

過去に書いたハンドプレスの記事は下記にまとめています。

ハンドプレスに関する覚書 | phoenix blog

 

ハンドプレス 大〈奥行き127mm〉 | ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス

ハンドプレス 小〈奥行き67mm〉 | ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス

相談は受け付けますのでお気軽にどうぞ、です。

どんな質問でもok!とはいえません言いません。

場合によっては「それは人様の商売の邪魔になる行為ですので回答出来ません」「それは革の専門家に検査に出さなきゃいけないので別途費用かかります」「それは単純に回答に手間かかるのでお金もらいます」などの返答することもありえます。

お問い合わせ(入力ページ) | ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス

過去の関連blog:


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