人を募集しているんですが、、という相談が鞄工房からフェニックスに。
ということで神戸まで求人相談に行ってきました。
目次
毎度毎度のお約束。フェニックスは革業界の求人募集を載せます。
「誰か使える人紹介して」「いい就職先ってどこでしょうか」などの相談には一切応じません。
紹介をした場合、どちらら片方が不満を感じると「紹介したフェニックスが悪い」「あいつは見る目がない」と簡単に人は逆恨みするからです。
また、当方が良いと思っても、紹介された人にしたら悪い、というケースも多々あります。
ですので、「行った先が地獄でも、働きに来た人間が悪魔でも当方は一切関与しません」というのが基本です。
まぁ、行った先がこのように地獄だった、獲った人間がこのようにアクマだったという愚痴はムラキ個人に行ってくだされば聞きます。
金銭や保険などの面も尋ねません。
ですが、「修行期間中だから」「弟子制度だから」無料で人を使いたい、という申し出をするような会社、工房、個人は掲載も相談もお断りします。
今回伺ったのは創作鞄槌井
神戸の海岸通り沿いで元町駅から徒歩 分のお店です。
職人の槌井さんが運営接客製作まで一人でされています。
場所:連絡先
槌井さんの経歴は?将来は?
槌井さん「もともと格闘家だったんですよ。そこらは詳しくは下記ページで。
神戸・元町「創作鞄槌井」が1周年-元総合格闘家が革職人に – 神戸経済新聞
で、その後。。確か10年ちょい前に職人さんのもとで修行しつつ勉強して6年前からお店をやっています。
以前は2F店舗だったのですが、途中からこの路面店に引っ越しました。
お店のスタンスとしては来客してくださったお客さんに当店で作った品を直売しています。卸などはしていません。
将来は直営店を増やしたいです。現在のお店は手狭で機械が置けないので生産拠点としての工場なども作りたいです。」
職人がほしい、というときに聞くのは職人の定義
槌井さん、職人さんがほしい、とのことですが、職人さん、ってどういう職人さんですか?
槌井さん「なんでそんなこと聞くんですか?」
革業界でも一般消費者の間でも「職人」定義があやふやだからです。
・イベントや百貨店でブース販売しているのも職人
・百貨店の職人展に出ているから職人
・デザイン、企画やって人に作らせて営業活動して売っているけど職人
・メーカーで働いているから職人
・オーダーだけ作っているのも職人
・請負で自分の作りたくないようなものでも粛々と作るのも職人。
このように「職人」、という言葉が独り歩きをしており、各々の定義が異なるからです。
フェニックスで例えば「職人さん募集ですよ。未経験者可ですよ」、と書くと「わぁ、将来テレビにバンバン出てオーダーをバンバン取るような職人になりたいから雇ってください!」「人と一生喋りたくないんです!モノづくりだけしたいんです!だから職人ですよね!」という人が来ることもあるわけで。
だから、槌井さんがほしいと思う職人像を明確化しましょうよ。
「あぁ、なるほど。確かにそういう方が来られるのは僕の本意じゃないですね。
望むのは
・店頭もあるので最低限の接客は出来てほしい
・言われたことをやる、ではなく、考える人がいいです
・将来的に一緒に店を盛り上げてくれる人が欲しいです。」
んー、考える人、というのをもうちょい詳しく。
「例えば今何をやっているかを理解してそれを言語化して説明がきちんと出来る人が欲しいです。自分で情報整理してくれる人ですね。
今なにをしているのか、それはなぜやっているのか。
それに対して何が足りないか、何がほしいか、などをきちんと考えて説明出来る人がいいです」
それは俗に言うコミュニケーション能力だなぁ。
ものづくり志願者は接客やりたくない、という人もいるけど。
「店頭があるので最低限の接客が出来る人が欲しいです。
過去に雇った人でも接客は苦手、と言いながらも実際やってみたら出来た、という人もいました。ただ100%無理、やりません、というのは困りますね」
先程あげたように将来的に独立したいんです!そのために技術学びたいです!というような人が来たらどう思うんですか?
「それはちょっと望ましくないです。
雇う以上はきちんと給金払います。
将来売上があがればそれに見合って給料もあげたいと思っています。
会社と一緒にきちんと儲けてほしい。
だから一緒に働いてほしいです。
経験者ならなおさら可です」
んー、、聞く限りそれはもう職人、じゃなくてパートナーレベルを要求していますね。
生産管理の要素も将来的に要求されるでしょうし。
生産管理まですでに出来る人材は鞄業界は引く手あまたですから経験者はなかなか来ないと思います。
それでもいいんですかね?
「経験者じゃないと駄目、ということもないです。
お店見て私と喋って『この人とはあわない』と思えば無理しなくていいですし。
一度お店見に来て喋って、そこから考える、でいいかと思います。」
この標語は?
「以前雇っていた人に対して僕の考え方を理解してもらうために貼っていました」
むぅ、実にこのお店を表現している良い標語だですな。
ここまで論理性を要求する作り手も珍しいですな。
諸条件
※2018/01/20時 HP掲載内容
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店舗すげぇな、これ
ところでこの店舗って自分でどこまで作ったの?
「ほぼすべてですよ。
土台などは業者さんにお願いしましたが、半年ほどかけてコツコツと作りました」
えっ!すげぇな!
ものっそい工夫しているやん!
例えばこのベルトをぶら下げているフックだけど、木製で6本の溝付いているのは1本でも売れたら判別しやすいようにベルトを置く場所を定位置化しているんやろ?これはすごいなぁ!
この財布も多色展開していてきっちりと色別においておいて1本でも売れたら補充しやすいように目でわかるように並べているの?
「そうですけど、現状では生産が追いついていないんですよ(´・ω・`) だからこそ人がほしいんですよね」
いや、この店はすごいな!
作り手ならば色々勉強になる工夫いっぱいやねぇ
この椅子すごいな!
この手のネタってblogに書いてもいいの?
「僕は革職人であり木工作家じゃないから良いですよ」
じゃあ遠慮なく。
この椅子は?
「これは普段はミシン作業しているときに制作物を一時的に置く台として使いつつ、オーダー相談のお客が来たら座ってもらう椅子でもあります。」
あぁ、それでか、、
すごいな、椅子であり、ミシンの作業中はカゴになり、普段はかごの収納棚しているのか!
かごの収納がすごいな
上下に分けているけど、下段は空いたかごを重ねて収納するための棚。上段は生産物を入れたかごを一時的に収納するためのスペースか!
背面を見ると下段は背面を閉じており、上段は背面開けているやん。これなんで?
「上段にはおっしゃるように物を入れたカゴを一時的に収納します。反対側からも取りやすいようにしています。
また、椅子にはキャスターもついていますけど、椅子を両手で持ち歩く際に手で掴みやすいように上段背面を開けています。」
!!これはすごい工夫だなぁ。
この店は色々工夫あって面白いね。
創作鞄槌井に興味を持ったら
就職希望、相談など有る方は事前に遠慮なくお問い合わせください。
HP:【創作鞄槌井】神戸でレザーバッグをオーダーできる手作り(ハンドメイド)革専門店
Blog:【創作鞄槌井】神戸でレザーバッグをオーダーできる手作り(ハンドメイド)革専門店 |工房日記
問い合わせ先:【創作鞄槌井】神戸でレザーバッグをオーダーできる手作り(ハンドメイド)革専門店 |店舗案内
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