【芯材】スライサー・バイリーンの違いについて説明するよ


みなさん、こんにちは。
フェニックスの賢谷です。

皆様、芯材は使用されていますか?

今回の記事は芯材についてお話しようかと思います。

まだ使ったことがない方も、使ってみたけれども、正直どう使えばいいかわからなかった方は是非みていただければと思います。

 

フェニックスでは色々な芯材を取り扱っています。

のり付きスライサーバイリーンボンテックス etc がそうですね。

どんな芯材があるかはこちらです。

 

そもそも芯材とは?

芯材ってどういう時に使うの??っていう話からスタートしましょう。

レザークラフトをやり始めると、まずぶつかる問題は【厚み】かなと思います。

この革好きだ!!と思っても、教科書に書かれている通り、2.0mmの革を買ったのにハリ感が全くないじゃないか!

ということありませんか??

こういった時に芯材の出番です。

お手持ちの革2.0mmだけではハリ感がないので芯材を張っちゃいます。

しか~し、そのままはってしまうと2.0mmを超えてしまう。

そういった場合は革を1.4mmに漉いて0.6の芯材を張り付ける

1.4mm(革) + 0.6mm(芯材)=2.0mm

といった感じで、もともとハリがない革であっても指定の厚みに調整して、ハリ感UPをすることができちゃうのです。

 

How to 選び方

では芯材って色々な種類があるけど、どう違うの??

今回は、のり付きスライサーとバイリーンにフォーカスして書きたいと思います。

◇のり付きスライサーの特徴

  • 裏がシールになってて接着剤不要なので、貼り作業が楽
  • 折れシワが付きづらい
  • 伸びる方向がある
  • 浮かせ張りができない
  • リカバリーがしにくい(あ!間違えたと思って、剥がすと伸びます。)
  • しっかり圧着した後はもう修正は不可(剥がすのはそうとう大変な作業と思った方がよいです。漉ける場合は漉いちゃってOK。)

◇バイリーンの特徴

  • 接着材が必要となる
  • 接着材を選べる(接着強弱をつけれる)
  • 浮かせ貼りができる
  • 折れシワが付きづらい
  • リカバリーしやすい

特徴はこんな感じです。

個人的な意見としては

◇スライサーは

+αハリがほしいって時に使います。

例えば、財布など小物はよくスライサーの出番が多い感じ

◇バイリーンは

紙系のパリパリ芯は使いたくないけど、結構大きくハリや柔らかさを変えたいといった時ですかね。

例えば、柔らかめのカバンのハンドル補強のための芯に使うとかです。

具体例をみてみよう

特徴も抑えつつ、実際に使ってみましょう。

【のり付きスライサー】

まずはこちらの革2.0mm厚を用意します。

ハギレなので結構反りもありますね。

まず1.4mmに漉きます。

こちらの革にスライサー(厚)0.6mmを張ってみます。

どうでしょうか。スライサーのようなベタ張りできる芯材は革の状態を整える役割にもなります。

続いてこちらを曲げてみます。

・スライサーの伸び方向に曲げ

良く曲がります。

・スライサー伸びとは逆方向に曲げ

ご覧の通り反発力で両端が反り上がっているのがお分かりでしょうか。

このように伸びを意識して、使用することをオススメします。

 

では、これをどういう場面で使うのか????

わかりやすい例でいうとカブセ部分です。

スタッフ岡田作のこちらのポシェット

開け閉めする蓋になっている部分がカブセですね。

カブセ部分は開ける度に曲げ運動が生じます。

曲がらない方向にカブセをつくったら、利用するたびに開けにくいカバンだな。。と思う事間違いないです。

なのでそのカバンの機能によって貼る方向を使い分けましょう。

※あくまで曲がりやすいということなので、カブセ部分はベタ張りしてしまうとシワになるので

曲げながら貼ることをオススメします。

 

【バイリーン】

バイリーンはスライサーとは違いあまり曲がる方向はないと考えてよいかと思います。

今回はバッグハンドル補強としてバイリーンを使ってみます。

イメージとしてはこんな感じですね。

なんでこんなところに芯材を入れるかというと、柔らかい革バッグをつくるときに、ハンドルをそのままつけてしまうとハンドルが安定しないことがあるんですね。

なので全体的には柔らかく仕上げて、ハンドル部分だけはしっかりさせるために芯材を入れることがあります。

では、バイリーンを漉いていきます。

こんな感じで、漉けてたらOKです。

なんで漉きをいれるかというと、その方が出来上がりのカバンが綺麗に仕上がるからです。

漉きを入れなくてもよいですが、革によっては革の表面にアタリがでてしまって、見栄えが悪いケースがあるのです。

続いて、上端だけ接着してバイリーンと革をくってけます。そしてハンドルを縫いつけると

こんな感じになります。

裏からみたらこんな感じ。

こうすることで芯材と革が縫いつけられて固定させるので、ナナメに漉いた部分は浮かせて貼ることができちゃうのです。

 

まとめ

 

以上となるのですが、いかがでしょうか。

今回紹介したものは芯材利用のごくごく一部です。

考え方も人それぞれという感じなので、これが正解ということでもないです。

※あくまで芯材は調整材(強度、ハリ、厚み)なので、自分の理想に近づけるためのものと捉えてください。

ですが、芯材はレザークラフトの幅を広げる意味で大きな要素なので、ぜひ使ったことが無い方はチャレンジしていただけると嬉しいです。

 

おまけ・・芯材に関する過去ブログ

セルシートA4判は芯材としても優秀という話

芯材をあるとないとではどう違うのか、というのを唐揚げ食べつつ話そう

持ち手の芯には床革がオススメ、という話

 

過去の関連blog:


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