22年11月のJLIAblogの裏側:革屋が模型イベントに出る意味とタンナー協会の すごい 動画


毎度です!「関西人ってある意味楽なんですよね。儲かりまっか、とか、毎度~、とかお約束ワードが多いので」 ムラキです。なんというか、関西人らしい振る舞いって楽なんですよね。特徴が多いので。キャラ付けしやすいです。

さてさてさて、ムラキ個人のお仕事、毎月書いている皮革産業連合会(=JLIA)のblogの裏側。
裏側、といっても、「書いちゃいけないことを書く」というわけではなくて、向こうで書ききれなかったことや、「文字制限4000文字って言っているのになんで5000文字書いているんだよ!」と怒られて削ったものなどを供養をかねてこちらに書いておきますわ。ほっとくと書きまくるからなぁ、、、

【村木るいさん連載】「ひょうご皮革総合フェア2022」と「タンナー見学バスツアー」で見るタンナーの違い |  | JLIA 日本皮革産業連合会

上記で書ききれなかったことをこのblogでは書いておきます。下記の内容となります。

・模型イベントになんで出たの?
・タンナー協会の動画ものすごいけど、なんでああいう動画を作ったのか

オチとしては

・だから知ってもらう努力しないと死んじゃう

というものですわ

先日模型のイベントGWCオリオンに出展しました

TW: GWCオリオン9 難波御堂筋ホール2022.11.27(@GarageWorksComm)さん / Twitter
HP:GARAGE WORKS COMMUNICATION

素材博覧会神戸が木金土、と3日間あり、その翌日日曜日に難波で行われたGWCオリオンという模型イベントに出ました。模型イベントでもガレージキット即売会ですね。

当日版権が、とか、ワンフェスが、、というような解説は置いといて、とりあえずは「自分で作ったガレージキット(=本来はアメリカなどで家のガレージで複製品として作られたプラモデルキットの意味)販売イベント」と思っておいたらok。

で、これにフェニックスとして出展しました。

会場内風景はあまり撮影していませんが、イベントとしてはそれほど大きなイベント(運営者さん失礼!)ではありません。ですが、出展者や来場者の熱意のあるイベントだな、と思います。

このイベントではムラキは机の隅っこで縫製実演したり、30分ほどの革セミナーをしました。

主催者さん「革のセミナー、なにやります?」

んー、、、革セミナーといっても模型の人は興味ないだろうからなぁ。。それじゃ「模型に使える革の知識技術」としておいてください。費用や素材の話します、と。

で、蓋をあけたら20人ちょいは来ていただきました。

「ムラキさん、合いの手っていります?」

合いの手???、、、、あぁ!喋り慣れていない人向けに合いの手をいれましょうか?という意味か!大丈夫ですよ!革業界で一番喋る、と言われていますから\(^o^)/

模型に使える革の知識技術

下記の内容を話しました。

・皮と革。鞣しの話
・布と革の違い。革はほつれてこないから楽
・縫製にミシンはいらない。菱目やカシメの話
・各種工具の値段。強度
・革じゃなくて床革でも工具を入れるポケットは作れる
・タンニン革とクロムの違い。可塑性の話

などを話しました。最後まで聞いてくれた人には床革A4サイズをプレゼントしましたわ。

終わったら主催から「流れるように話しますね(;・∀・)」と言われましたわ。まぁ、情報量多すぎると良くないんですけどね。脳から流れ落ちますから( ´Д`)=3

なんでこういうイベントに出て革の話をするのか

裾野広げる努力しておかないと死んじゃうからですね。(´・ω・`) 材料屋なんてあっさりさっくり簡単に死ねます。

革屋にかぎらず、割り漉き屋や型押し屋、刃型屋、裁断屋、漉き屋、箔押し屋、縫製職人等々が、業界広げる努力=知ってもらう努力しておかないと死んじゃうからです。

どんな業界もそうですが、裾野を広げる努力をしておかないと、先細って死にます。でも、職人さんがそういうことをやっている暇も気力もやり方も思いつきません。だからこそ、そういうのは材料屋なり組合なりが必死でやっておかないといけないんですわ。

また、ここまでblog読んでいる人だから書いておきますが、「現状のお客さんの購入金額を倍にする」よりも「新しい市場の人に『革ってこんなに面白くて便利だよ!』と説明して買ってもらったほうが楽」ですしね。なによりもフェニックス自身が革素材とレザークラフトってすげぇ面白いよ!と思っていますし。

模型の人の声「面白そうだけど、模型の 趣味だけで時間と気力とお金使っているのにこれ以上増やせられない!」

わかるわ~わかりますわ~。そうですよね、時間ないですよね。( ´∀`)bグッ!
今の時代はお金を奪う、じゃなくて、時間を奪う商売が多いですからねぇ。

でも、革ってレベル5まで覚えなくて良いんですよ。レベル2までで十分!レベル2って「革がどこで買えるか」「ほつれない」「自分で縫える」「つぅか縫わなくてカシメで留めるだけで十分!」 これだけ覚えていたらOK!

「ほつれない布地みたいに柔らかい素材」ってものすごく便利ですよ。さらに厚み調整が出来るので、軽かったり、重厚なものも簡単に作れます!初期投資も6000円位で十分です。床革ならばA4なら400円でお釣りきますよ!

ヌメの床革 – 厚口A4サイズ | ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス

別に革じゃなくて床革でもいいんですよ。自分の工具を入れるくらいならば床革でも十分です。薄いと破れますが、2mm床革なんてそうそう破れませんし。

床革(Split leather) | ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス

「フォークのおばけ、菱目打ちで穴あけて縫うだけ」「穴あけてカシメで叩いてとめるだけ」これだけ覚えているだけでもこれからのものづくり人生で格段に選択の幅が広がりますよ!

ま、ハマるとお金と時間と気力ガンガン奪われますけどね(;・∀・)

で、Jliablogの裏側の話:それを削るなんてとんでもない!

【村木るいさん連載】「ひょうご皮革総合フェア2022」と「タンナー見学バスツアー」で見るタンナーの違い |  | JLIA 日本皮革産業連合会

今回書いたblogですが、4500文字オーバーです。毎回「字数は4000文字程度で」と言われています。書き終わってから削ります。んー、、タンナーさんの話削りづらいから、この模型イベント記述を丸々消しますか?そうしたら4000文字くらいよ。

編集さん「それを削るなんてとんでもないです!JLIA的には『革素材を従来とは違う業界にアピールしたい』と考えています。模型業界のように今まで興味持ってもらえなかった世界に革を紹介しているのはすごくありがたいんですよ。だから今月は4500文字オーバーでも大丈夫なようにおえらいさん説得します。」

で、実際にokとのこと。

ほへーーーー。JLIAって連合会で担当の事務局員さんがそこまで考えてくれるんだなぁ、とちょっと感心しました。

タンナー協会のできたてほやほやの動画がすごいわ

昨日(2022/11/30)更新されたばかりのタンナー協会の動画、すごいな。よくまぁ、これをあのお硬い団体にプレゼンしたなぁ、代理店さんは。。。

タンナー協会の動画って結構すごい。トライエラーリトライがすげぇ

一般社団法人日本タンナーズ協会 – YouTube

タンナー協会って皮革関係でもトップクラスに大きな協会です。Youtube動画一発目が日本で一番でかいタンナー山陽さん協力でVR360度動画を撮影しました。これ、500円くらいのVRグラス(スマホ差し込んで見るタイプ)でもいいから購入して見てみると迫力あって面白いんですよ。

山陽さん、これ、よく撮ったなぁ

山陽さんのえらい人「なんか当時日本で2台ほどしかない、という特殊なカメラで撮影していたで。見ていて面白かったわ」

いいな~~~!!!
360度動画で4Kってものすごいものなぁ。撮影風景見たかったものです。

で、そんなに手間とお金かけたのに未だに再生回数が1000回行っていない_| ̄|○

その後も「ブーツからリメイク」やら「革でアウトドアグッズ作ろうよ」というものが続きます。これらの動画は広告代理店なりが入って、そこが請負で作っているはずです。動画とかSNSって再生数なり登録数なりで数値化されるからきっついだろうなぁ、、と思いながら見ていました。

今回のレザークエストの動画は趣旨がちょっと違う

過去の動画はどっちかというとフェニックスのような素材屋寄りでした。
初回のVR動画はかなりタンナー寄りでしたが、その後の方針は「革素材を知ってもらって作ってもらおう」「作ってもらうことで親しんでもらおう」というコンセプトですね。

ところが今回のレザークエストはドラゴンクエスト3風味でした。(まぁ、RPGツクールの2000年代から2010年頃風味というほうが近いが、、)

「3人パーティーでメンバーが工場長、タンナー、職人って偏りすぎだろ、、」とか「それ、食べて皮とっていいんだ、、」などツッコミどころ満載です。過去の動画に比べると「革は皮素材から作られる」「食肉産業の副産物でしかねぇよ」ということが強調させられているものとなっています。

タンナー協会もこれだけ「人に知ってもらう努力しているんだな」と感心したものです。

以前どこかで書いたが、某巨大IPのプロダクションでも忘れ去られることが恐ろしい、と言っていた

細かく書くと怒られるので書けないんですが、某巨大IP(キャラクターなどの知的財産)管理の会社さんと知り合いが話したことがあります。その某巨大IPのキャラクターはホウボウで色々な仕事(保険会社や鉄道会社とか、販売業のキャラクターなり)で使われていました。

そんな有名なキャラなのに、仕事は選ばないんですか?と聞いたところ

「キャラクターというのは忘れられたら終わりなんです。今は40代なり50代なりに知られていても、子供や海外に知ってもらっておかないと先々埋もれてしまいます。」
「だからこそ、今の時代に手をうっておかないといけないんです。キャラクターだからってノートや下敷きに描いて終わり、じゃ駄目なんです。日常で目に触れてもらわないといけない。それで興味持ってもらって読んでもらう知ってもらうのが重要です。」

なるほどなぁ!!あれだけの巨大IPなら一生安泰、とか思ったのに、そんなに危機感持っているんだな、と感心しました。

だから知ってもらう努力しないと死んじゃう

最初に書いたようにオチは上記のとおりです。知ってもらうってすごく重要。

 

PS

ほら、これだけ書いたらもう4200文字オーバーだよ( ´Д`)=3

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