革にあわせて裏布を使いたいんですがどういうものがいいですか?という質問から、だから丸ギリ買っておけ!と勧める話


革にあわせて裏布を使いたいんですがどういうものがいいですか?手縫いで使いたいです。

フェニックスでは革の裏地に使うような布地も販売しています。

ただ、注意点がいくつかありますのでまとめておきますね

 

大前提として布を使うのはミシンの領域です

布、というのは糸と糸が織って作られています。縦糸と緯糸が存在するわけですね。ですので、この糸が1本でも切れると、その糸全部が抜けたり、崩壊します。糸が1箇所崩壊するとそこから全体の崩壊が始まります。

これが「ほつれる」という現象なわけですね。

布はほつれる。だから端の処理が必要

長年革を触っていますが、「じゃぁ布で鞄作れるの?」と聞かれたら「できません」と答えています。なぜなら「端っこがほつれるからほつれないようにアイロンで端を処理してたたく(=端っこを縫う)」ということが全く出来ないからです。\(^o^)/

革は線維がランダムに布の糸の本数よりも莫大に組み合わさっているためほつれる、ということがありません。ほぼ。(究極的にはほつれます、いつかは。)

革細工していると、この「端の処理」というのがめんどくてめんどくてめんどくてめんどくて堪りませんわ\(^o^)/

ミシンの「針で縫う」と革手縫いの「針で縫う」は意味合いが全く違う

で、革の世界は「針で縫う」ためには菱目打ちで穴をあける、という工程が必須です。
ですが、この菱目打ちで穴をあける、という工程が布と相性が大変悪いです。

菱目打ちは本来革という「線維が莫大に絡み合っているから、多少ちぎれてもokだよ!」という大変大雑把な素材を対象とした工具と技法です。

他方、ミシンは「先端を尖らした針が縦糸と緯糸の隙間をぬって糸を通す」「先端を極限まで尖らしているから、縦糸と緯糸をぶち切るなんてことはありませんよ!」というコンセプトの工具と技法です。

同じ「縫う」という工程なのに、思想が真逆なんですよね。

じゃぁ革と布は手縫いでは縫えないのか?

ぬえますがいくつか注意点があります

布の端っこが見える箇所はきちんと端を折り曲げて処理をしてあげる

両面テープで端っこを折り曲げて固定する方もおられますが、両面テープを張った部分を手縫いで縫うと、ハリと糸がベタベタします。私はこういう場合はゴムのりかサイビノールで貼ってしまいます。なるべく両面テープは使いたくないので。あるいは、「縫わないギリギリの箇所を3mm両面テープで固定する」という方法もありますね。

適性な布を選ぶ

布は莫大に種類があります。ですが、どんな布でもレザークラフトや革製品に使えるかというとそんなことはありません。慣れてきたらいいですが、最初のうちは「鞄や財布の裏地用」と言われている生地のほうがオススメです。

特に布に慣れていない方ほど、下記のようなほつれ止め加工をした布地からスタートしたほうがいいです。

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菱目打ちで貫かない

ミシンなんてないよ!という方は下記の考え方を理解しておいてください。

・菱目打ちで布に穴をあけると布の縦糸横糸をぶった切ってしまってほつれてしまう。
・それなら、革は菱目打ちで穴を開け、布は目打ちで手縫い針の通り道をあけてあげる

下記のクラフト社製丸ギリは「細い先端が徐々に太くなっていく」というものです。従来品よりも格段に細いためこういう用途に最適です。その分「何かをこじる・ほじくる」「革に突き刺して穴をあける」等は、場合によっては先端が簡単に曲がります。

クラフト社製 丸ギリ

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クラフト社製 丸ギリ

「力を与えてぶっさしたい!」「ほじくりたい!」という場合はエルの丸ギリのほうが太く、力を伝えやすいですね。個人的にはエルもクラフトも、両方の丸ギリはケースバイケースで使い分けるので両方持っておくことをオススメします。ただの尖っている棒ですが、そこらの100均製品よりも格段に良い品です。

協進エル製 丸錐(丸ギリ)

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協進エル製 丸錐(丸ギリ)

 

丸ギリで布の隙間を探しながら縫う

革と布を仮止めして菱目打ちで穴をあける!とすると布の繊維が切れてしまいます。これは負荷がかかると破けてきます。

ですので、私は革だけに穴を開けて、その後に布を仮止めします。その上で縫う前に丸ギリで革の穴を通して布の繊維の隙間を探して、マルギリで隙間を広げます。

1穴に丸ギリを刺して隙間を広げる>縫う>次の穴に丸ギリを刺して隙間を広げる>縫う、の繰り返しですね。これならば布の繊維を切りません。

上記のやり方がめんどくさいならば菱目打ちでぶっちぎってもいいですが、負荷をかけない

菱目打ちで革+布を一気に穴をあけるほうが作業性は良いです。ですが、このやり方は縦糸緯糸をぶったぎっています。このような場合、布の部分に荷物による負荷がかからないようにしましょう。

「負荷がかからないように」というのは、重いものを入れた際に過重がかからないようにする、とか、引っ張られたり引きつったりしないような箇所だけにしましょう、という意味です。

芯材を使う、なども手

布が薄い場合は芯材を使うのも手なんですが、これはある程度「裏地に適している布地に慣れてから」のほうがオススメです

とりあえずは鞄・小物の裏地に適しているものを使いましょう。ほつれ止めの布地を使い慣れてからじゃないと「ほつれ止めないとこんなにめんどいのか、、」と自覚出来ませんから。

フェニックスならばシャンタン、バーバリーかなぁ。

シャンタン 3カラー【取寄品|納期注意】

パリッとしており財布などによく使われます

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コットンバーバリー 4カラー【取寄品|納期注意】

裏地などに使用される定番の生地です。
アクリル加工により防水性や耐久性を向上させた生地感で、幅広い作品にマッチする人気商品です。鞄や中物向きかなぁ

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帆布8号【取寄品|納期注意】

こちらは裏地、というよりも本体ですね。トートバッグで口前が革で袋部分が帆布、などは見かけますね。ただ、布地部分を全部手縫いはちょと大変。ミシンが欲しくなります。

価格:¥2,232(2026/06/24時点)

帆布8号【取寄品|納期注意】 | ヌメ革と真鍮金具とレザークラフト材料の通販-フェニックス

帆布8号【取寄品|納期注意】

 

布が使えると幅が広がります。でも、布の縦糸横糸をぶったぎらないように気をつけよう!

本体部分も布で、となるとちょっと手縫いじゃ辛くなります。菱目打ちの良さって「縫う穴をきちんと指定してくれる」ので、「きれいに穴をあけて、穴通りに縫えば必ずきれいに縫える」ということがあります。布は菱目打ち使えないから手縫いで縫うと、どうしても縫い目=ピッチがきれいに揃いません。

その場合は革用じゃなくていいから帆布縫えるくらいのミシン買っておいたほうがいいかな、とは思います。

 

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