さて、技術系blogを。
「革で壁にかかるような動物造形を作りたいんですよ。芯は床革重ねたらいいかな?」
ハンティングトロフィーのことかな?
ハンティングトロフィーって?
上記写真はフェニックスから徒歩12分の革の寿屋さんの壁にかかっているものね。
大きさが私の身長よりちょいと低いくらいだから1,5mほどあるのかな。
下記写真は数年前にガチャガチャで販売されていたハンティングトロフィーシリーズです。
個人的にガチャガチャと回しました。
どの革を使う?
さて、このようなものを革で作りたいんですね。
「そうです。どう作ればいいのかな、と」
そういう時はタンニン革特有の可塑性、という性質を利用して作ります。
水に濡らして強い力を与えるとその形にグッと固まってしまう、という性質ですね。
この性質があるからこそカービングなどができるわけですな。
基本の造形物、、例えば牛の頭を粘土なりで作る(この時硬ければ硬いほどいい。石粉粘土などオススメ)
>その後タンニン革、、、出来ればヌメ革かタンローなどの染色されていないもの、、を水で濡らしてぎゅムギュムと押し込んでいく。厚みは1mm程度推奨
当店で言うならばタンローが一番、2番目はヌメ革かなぁ
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昭南 本ヌメ – レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP
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ヌメとタンローの違いは下記に過去書いています。
参考blog:雑談:タンニン革ってなに?: レザークラフト・フェニックス
動画で見てみよう!
こちらは中東のおみやげ品として存在する革のマスクです。
(中東だったかなぁ、アフリカだったかなぁ。。中学校時代に親が出張のおみやげで買って来てくれたのだが。。あの頃うちの父は出張でアフリカは行っていないと思うんだがなぁ 詳しい人誰か教えて下さい)
下記動画はユネスコの教育プログラムの動画ですが、この中で作り方が解説されています。
前半は靴の作り方、後半はこのマスクの作り方解説です。あぁ、なんて偉大な時代だ
見ていただけたらわかりますように
・セメント(か、コンクリか、石膏)で造形を作る
・その上をタンニン革でグッと押さえつけていく
という技法で作られていますね。
どれくらいの凹凸まで可塑性が発揮するのでしょうか?
これは革の部位(腹よりも背中のほうが丈夫)やタンニンヌメ革でも作られている会社・売っている会社によって異なります。
過去においてうちの店のお客様が当店のオイルヌメでここまで凹凸を出しました。
ただ、この作り方は凹型と凸型、両方を作ってサンドイッチですので上記のマスクの方法とは根本的に異なりますね。
ハンティングトロフィー作りたいならばヌメ・タンローが無難ですねぇ
参考blog: ウェットフォーム!!: レザークラフト・フェニックス
検索して調べるならば「絞り加工」「ウェットフォーム」「立体成型」+「革」「レザークラフト」などで調べてみてくださいな。
そういや本池秀夫氏が作っていたな
過去blogでも紹介していますが、本池秀夫氏がこの作り方を得意とされていますね。
《旅行》本池秀夫「革の世界」視察ツアー 動物world!: レザークラフト・フェニックス
参考書籍
絞り技法・立体成型・ウェットフォーム技法を学びたいのだけど、どの本がいいの? | phoenix blog
革工芸の技法 – レザークラフトフェニックス ONLINE SHOP
参考blog:50年は残したい本、「革工芸の技法」: レザークラフト・フェニックス
過去の関連blog:
- 靴を染め変えたいんですけど、、、という話からのレザーダイやら染料話
- 絞り技法・立体成型・ウェットフォーム技法を学びたいのだけど、どの本がいいの?
- ジャパンレザーアワードをよりよくするためのアンケート
- 活字ホルダーを購入してくれたお客さんが木箱のケースをきれいに作った、という話。
- コバ処理のお守りとしてカスタムクリーナーは買っておいたほうがいい、という話