先日の革日和で出展いただいたニッピ機械さんの新型漉き機ですが、面白い品です。
ただ得手不得手が如実に別れます。
また同時に展示していただいたホットメルトは量産する人は見たら欲しくなる機械です。
上記2点を浅草エーラウンド2018にて展示しますので興味ある方は見に来てくださいな。21日はニッピ機械の人も来ていますのでその方から直接話も聞けます。
「いつも使っています!ありがとう!」と生の声を伝えることも出来ます。
10/20(土)~21(日)A-ROUND 浅草にて新型ニッピ漉き機講習や表面加工WSなど | phoenix blog
で、このblogでは新型漉き機とホットメルトの面白さをちょいと解説します。
目次
新型卓上漉き機は得手不得手が如実に別れている
現在ニッピ機械さんは漉き機に関して従来品(30万くらいかな)、その廉価版(24万)の2種類でした。
で、今回の新型漉き機(17万)が加わりました。
従来機は100点の性能があるけど、手入れしないと30点まで下がる
この従来機は100点の性能を発揮できます。
ですが、100点の性能を発揮するには使い手の技術と知識が必要です。また、最初にきちんと整備されて、きちんと使いながら整備されているか、が重要です。
中古が悪いとは言いません。ですが、きちんと整備されていない中古は性能が発揮されません。
また、どこにオイルをさすか。なぜそこにさすか、などの意味を理解しないと100点の性能は徐々に劣化していきます。
ニッピ機械さんいわく「100点の性能を発揮しますが、メンテナンスをし、知識技術がないと50点以下まで下ります」とのことです。
新型機は安定した70点
それに対して新型機は従来機必須であった「研ぎ」という作業が出来ません。
これは明らかな欠点です。
ですが、研ぎ、という工程をなくし、替刃式にしたことで「常時70点ちょいの性能は必ずあり、劣化しても60点までしか劣化しない」という機種になっています。
同時に研ぎ工程を切り捨てたことで下記の強み・メリットを手に入れました。
重さ12kg!(2kgペットボトル6本入ったダンボールと同じくらい)
大きさが40cm四方で収まり、ゴミも引き出し方式!
掃除機くらいの音しかしません
となっています。
極端な話、ご家庭の机の上に置いておけます。イベント会場に持っていけます。
従来機持っている人でも「でも端っこ薄く漉くのはこいつに任せて押さえの角度は一切いじらない!」という思い切った運用も可能です。
その一方で、「3mmの革を1mmにしたい」とか「8cmのベタ漉きしたい」などは苦手となっています。
でも0.2mmまで漉けますね
じゃぁ、新型漉き機の解説セミナーします。
ですので、2000円取りますが、新型漉き機を前にして実際に動かしつつセミナーをします。
このセミナーでは新型と従来機の違い、得手不得手。
なぜ従来機は100点の性能を出すのは大変なのか。
どういう人は向いているのか
などを解説します。
新型漉き機はフェニックスでも扱いますので、このセミナー受講された方は新型漉き機予約時に2000円引かせていただきます。
ニッピ新型漉き機を活かすセミナー~漉きの考え方をしっかり学ぶ 2018年10月21日(東京都) – こくちーずプロ(告知’sプロ)
ホットメルトは6万円するけど見たら欲しくなるよ。特にメーカーさんや量産職人は
先日の大阪革日和で展示してもらい、今回浅草A-ROUNDでも展示していただくのがホットメルト。お値段6万円くらいします。
これ、ニッピ機械に以前訪問した時に見てほしかったんだよなぁ。。。でも6万か。。
漉き機で有名なニッピ機械工場へ見学に行ってきた | phoenix blog
で以前見たときよりも一回り小さくなり、容器もプラスチック製になり軽くなっていました。
えっ!以前より軽いやん!
ニッピ機械さん「好評につき、以前は板金製で金属製でしたがプラスチック製に変えました」
あぁ、プラスチック型作れるほど売れたんだ、これ。。。
「  ̄b ̄)シーーッ!!
でもプラスチックに変えたことで格段に軽くなっていますよ。」
あぁ、確かに。
すごく強力な両面テープを塗れる機械と思ってください
要は「グルーガンは熱したグルーをグニョンと1本線出していくが、この機械はローラーで塗ってくれる」という機械です。
両面テープのような使い方ができるが、こいつは布やプラスチック、木などにもつけることが可能。かつ、両面テープよりも強い、というものです。
従来の両面テープでは跳ね除けたオイル調の革の銀面やテープが載らない布地、裏地、シャンタンや、ヌメ革3mm折り曲げてくっつけることも可能です。(下記動画最後見たらわかります)
下記は大阪革日和で試してみました。
靴やカバン財布に限らずものすごく効果発揮します。
この機械のお得ポイント!
・1kgの糊、2500円程度を購入すれば4kmほどは濡れるので両面テープよりも格段にお得です!
・普段濡れない場所に濡れて、粘着が持続します。
・粘着力は1週間たってもベタベタしています
・ローラーで塗るので曲面などもラクラク
・両面テープの持っているデメリット「貼り付けて、裏面を剥がす」という2アクションを「塗るだけ」という1アクションにできます。
この機械の苦手ポイント
両面テープができる「内職さんに依頼して貼ってもらって積み重ねておく」というのはできません。
(知り合い曰く「いや、単にこれを貸して、布曲げて貼っておいて」といえばいいだけやん、とのこと)
お値段6万円はします。orz
興味あるかたは次回A-ROUNDでご体験ください。
メーカーさんは悶絶して「買いたい!」と言うと思います。
10/20(土)~21(日)A-ROUND 浅草にて新型ニッピ漉き機講習や表面加工WSなど | phoenix blog
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