毎週日曜日はブログ、バックナンバーシリーズの日です。
これ書いている今日は火曜日なんですがね。出張というところでお許しを。。。
以前のサーバに保存されている昔の記事で、今でも役に立ちそうなものを引っ張って改めて日の目に当てよう!
今日は刃型についての13年前の記事を取り上げます。
刃型、抜き型、タガネ…などなど。人によって呼び方が違うんですが、
革を同じ形に裁断する際に用いる刃物で、一つ一つ職人さんが手曲げして作る刃物です。
一口に抜き型と言っても、スウェーデン鋼という鋼材を曲げて作るものや、火造りと言って熱したた鉄を打って成形、刃付けを行うものなど、用途や形状などによってさまざまな工法があります。
Phoenixでもオリジナル抜き型のオーダーは受けておりますのでお気軽に!
オリジナル抜き型製作ーLeathercraft Phoenixオンラインショップ
オリジナル抜き型お見積りページーLeathercaft Phoenix
えー、でもプレス機とか持ってないし、抜き型なんて私には関係ないわ
と思った貴方。
そんなことありませんよ。
抜き型に持ち手をつけて製作することも可能で、
穴あけポンチの感覚で裁断できます
※あんまり大きなサイズは大変ですが。
そんな抜き型について、2009年12月17日に書いたブログが一見の価値ありの内容なので再掲します。値段が当時のものとなっており、今と異なっていますが、昨今の値上がりのことも意識して「あー、当時はいい時代だった」と思い返しながら読んでみてください。
それでは2009年12月17日の記事:《刃型》手打ちの刃型
ご覧ください。
序文:バックナンバーシリーズとは?
Phoenixはここでブログを2014年から書いていますが、実はそのもっと前から他のサーバで書いていました。訳あって現在のサーバへお引越ししましたが、1400ほどあった旧サーバの記事はお引越しできず、そちらのサーバに置きっ放しとなっております。
(旧サーバのブログはこちら)
現在でも古いブログはご覧頂けますが、別サーバの記事なのでブログ内検索などでは引っかかりません。
有益な情報がたくさんあって、とってももったいないなー、と日々思っていたので、これから少しずつ【バックナンバー】としてこのブログ用に再編して掲載していこうと思います。
古い記事の引用となりますので、表現が古かったり今ではもっと便利になっていたりしますが、これは当時のまま載せようと思います。
他にも価格が当時と異なっていたり、登場人物がすでにPhoenixを去った人だったりしますが、こちらは誤解を避けるためにも、ご本人への配慮もあり伏字や編集したものとさせていただきます。
予めご了承ください。
本文:20個以上同じもの作るのであれば抜き型作った方がいいと思う(筆者談)
先日お客様の依頼で刃型を作成しました。
ベルトの剣先用ですね。手打ち用ですので棒がついています。
20mmの剣先用で、ちょいと細工がしてあって非常に使いやすくなっています。
火造りの刃型が一番、という声もありますが、火造りの場合は下手すると落とした途端に欠けてしまう、ということもあります。
通常使うならば値段的にも使い方的にもスウェーデン鋼の刃型はおすすめです。
スコンっ!と抜けます。
これが切れない刃型を使うと断面に毛羽立ちが出ます。
当店がお願いしている刃型屋さんは腕がいいです。胸をはって言えますが、ほんと~~に腕と刃自体の切れ味が素晴らしいです。
※編集注<以下、価格は当時のものです。現在とは異なりますのでご注意ください>
平行を出す、穴を綺麗に一列に並べる、1mm単位で狂うことなく刃を配置する、など完全に作ってくれます。(実際は0.5mm単位で寄せてきます。)
使用する刃型にも良し悪し、というのがあるのですが、指を滑らせただけで切れそうな最高ランクの刃型を使ってくれます。
今回でしたら1本で刃型先端部分で2000円ちょい、打ち棒部分で4000円ほどかかります。合計で6000円です。
「刃型屋さん、打ち棒っていつも思うが高くない?」
「あぁうちのは他の機械に取り付けることができる太いもの使っているからねぇ。打ち棒つきにすると高いよ~」
身も蓋もないですな!
打ち棒つけずに刃型だけ作る、というのも手です。
刃型作成のざっくりとした話ですが、下記の点が加わると高くなります。
・穴あけポンチを同時に設置…1箇所につき+600円ほどかかります。
・内R部分…☆のようにへこんだ部分=R部分が1箇所あるたびに+500円程かかると思ってください。
あとは1cm 50~60円計算です。
「じゃぁ小さければ小さいほど安いの?」
…一概には言えません。小さくなるとそれだけ細工が細かくなります。最低でも2000円はかかると思ってください。
「円は?きっちりできるの?」
…当方が依頼している刃型屋さんは円の刃型を作り、抜いた後にグルッと回転させていれてもきっちりはまるレベルで円刃型を作ってくれます。
その分厳密な円を作る場合は値段は上記1cm=50~60円計算より多少高くなります。
「打ち棒なしでもいいの?」
…もちろんです。打ち棒あったほうが打ちやすいですが、ない状態のほうが安くは出来ますね。
「大きなものはどう抜くの?」
…依頼してくだされば当店で抜き加工も行います。
「安定的に抜きをお願いしたいが」
…1~2ヶ月に一度抜き加工依頼してくださるなら当方で刃型を預り、メールorFAXで「~~の革で厚み1,0mmを100個ほど抜いて欲しい」と言ってくだされば対応出来ます。刃型の預りは2ヶ月が限度です。
「刃型見積もり出して欲しいが、、」
…2~3日で返答出します。もちろん無料で行います。
「見積もりだけど型紙はいる?」
…単純な形でしたら手書きに寸法かいていただいて結構です。
「ここのカーブ部分にはこだわりがあるんだ!」という場合でもざっくりした見積は手書き状態でも出します。
作成の場合は型紙を切ったものを送っていただいた方が多少安価になります。
同じ形が何個もいる、という場合や、「このカーブは私のこだわり!」という場合は刃型作成をおすすめします。同じ形を何度も作れる、というのはとても偉大ですヨ!
過去の関連blog:
- 【バックナンバーシリーズ】2011年2月4日の記事:飾りカシメを打とう!
- 【バックナンバーシリーズ】二本立て!ゴムのりに関する2009年4月と2013年12月の記事
- 【バックナンバーシリーズ】円安の今こそ振り返ろう!2011年3月29日の記事
- 【バックナンバーシリーズ】2013年2月26日の記事:レザークラフトの肩こりに効く体操
- 【バックナンバーシリーズ】2011年7月22日の記事:皮塩漬けの会社を見てきたよ